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石巻・十三浜の板倉2棟、国の登録有形文化財に 気仙大工の技残す 審議会、文科相に答申

出入り口上部に彫刻が施された旧佐々木家住宅板倉

 石巻市北上町十三浜にある「旧鈴木家住宅板倉」と「旧佐々木家住宅板倉」が、国の登録有形文化財(建造物)に指定される。北上川下流域で、気仙大工の技量を示す彫刻が施された建築物の特徴を後世に伝えるとして、文部科学省文化審議会は24日、文部科学相に登録を答申した。官報告示で正式決定する。今回の登録で県内の登録有形文化財(建造物)は210件、石巻市内では8件になる。

 旧鈴木家板倉は、間口5.4メートル、奥行き12.7メートルと大型。市内の民家で1915(大正4)年に建てられ、米倉として使われていた。屋根にはスレートをふき、隙間を埋める面戸板(めんどいた)や妻飾りの精緻な彫刻が目を引く。

 旧佐々木家板倉(間口4.5メートル、奥行き7.2メートル)も明治中期、米倉として市内の民家に建てられ、その後に市内の別の民家に移された。出入り口上部のひさしを支える持ち送りに彫刻が飾られている。

 共に昨年、東日本大震災の津波で流された旧北上町役場の跡地に移築された。地元企業が観光拠点化を目指し、旧鈴木家板倉を飲食店「北上川テラス 七間倉」として活用している。

 移築の設計デザインを担当した猪又直己さん(33)は「北上川流域の建築文化を守りながら、震災で大きな被害を受けた河口付近の新たな風景を生み出せたらうれしい」と話した。

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