女川の冬きらり1月5日まで 海ぼたる、最後の輝き 制作委解散
女川町の冬の風物詩「スターダスト・ページェント2023海ぼたる」(制作委員会主催)が3日、JR女川駅前で始まった。海ぼたるは1998年から続く恒例行事だが、町民有志による制作委は高齢化を理由に今回で解散することを決めた。三浦久嗣副代表世話人は「温かい募金のおかげで続けてこられた。見てもらう人に楽しんでほしいという思いで、制作委も楽しみながらやってきた」と感謝する。
海ぼたるは女川駅前を明るく照らそうと町民有志が始めた。企業などの協賛は募らず、町内に設置した募金箱に寄せられた資金で運営してきた。東日本大震災では使っていた電球約8万個が津波で流されたものの、一度も中止せず、2015年からは再建された女川駅前で実施してきた。だが、20人ほどいた制作委は震災後に5人に減少。メンバーの高齢化が進んだことから解散を決めた。
会場には高さ約7メートルのシンボルツリーが飾られ、地面に張り巡らされた漁網や街路樹に取り付けられた発光ダイオード(LED)が周囲を照らす。今年は昨年より5000個ほど多い約5万5000個を使用。海中を漂うウミホタルを思わせる青を中心に、黄色やピンクの光が幻想的に輝く。
初日は午後5時ごろに一斉に点灯し、訪れた家族連れなどが光の中を歩いたり写真を撮ったりして楽しんだ。家族と足を運んだ女川小2年の井田夏穂さん(8)は「いろんな色の光がまざってピカピカしている。青い色が特にきれい」と話した。
点灯は来年1月5日まで。三浦さんは「街を明るくし、きれいな明かりを付けたいという思いで続けてきた。制作委は解散するが、思いを持って駅前に明かりをともす人がまた現れたらうれしい」と話す。
午後4時半~10時半。31日は翌1月1日の日の出まで。
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