懐かしい石巻の風景 故熊倉さん絵画展示、24日まで土日 来春、ギャラリー開設
広告会社「東北プランニング」(石巻市)を経営する傍ら石巻地方の風景を描き続け、2008年に亡くなった熊倉保夫さんの作品を展示するギャラリーが来春、開設される。長男で同社社長の一徳さん(57)が友人らの協力を得ながら準備を進める。独特の優しいタッチで東日本大震災前の郷土を描いた油彩画と水彩画は、石巻かほく毎月1日付に掲載され、被災者に無料配布されるカレンダーで広く知られる。ギャラリーは原画と対面し、「懐かしい風景」の筆遣いや空気感を実感できる場となる。
ギャラリーは石巻市南中里4丁目の同社が入るビル1階に開設される。プレイベントとして、12月中の土日曜は作品の一部が展示されている。
目を引くのは、石巻市の中瀬周辺の街並みを描いた60号の大作「青景」「黄景」「赤景」のシリーズ。「青景」は日和山から望む1980年代初夏の懐かしい風景がみずみずしい緑や青を基調に描かれた。
ギャラリーは来年4月ごろ開設され、土日祝日に公開。一徳さんが保有する約250点の油彩画と水彩画の中から石巻地方の風景を中心に選び、季節の変化に合わせて展示替えする。12月までの期間限定の予定。
一徳さんは被災者支援として、仮設住宅や復興住宅に熊倉作品カレンダーを無料配布する事業を9年前から続けている。新住居に飾った被災者から「昔の暮らしを思い出し、励みになる」などの感想が多数寄せられている。
一徳さんは「原画を見て、作者の息吹や筆遣い、描いたころの空気を感じてほしい」とギャラリー開設の狙いを語る。ギャラリー開設とカレンダー無料配布の資金はクラウドファンディング(CAMPFIREで検索、26日まで)でも募っている。
12月中の展示は16、17、23、24日の午前10時~午後5時。
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