震災犠牲「けんた君」の実話、児童書に 「朝顔の声」発売 石巻の千葉直美さん作、英訳付き
東日本大震災による津波で犠牲になった石巻市旧大川小3年の「けんた君」(9)を基に制作された児童書「朝顔の声」が1日から販売されている。
けんた君は、朝顔の種の入った紙袋に「みらいのじぶんへ」と書いて机の引き出しにしまっていた。震災後、母親が見つけたことを知った知人を通して同市在住の童話作家千葉直美さん(61)の耳に伝わり、千葉さんが児童書にしたいと両親に申し出た。同市在住の画家阿部悦子さんが挿絵を、ニューヨーク市在住の翻訳家市沢マリアさんが翻訳を担当した。
本文が日本語と英語で書かれており、内容は実話に基づいている。けんた君の両親が2014年に朝顔の種を植えて花が咲く様子とともに、両親とけんた君が共に過ごした記憶などが描かれた。けんた君の残した朝顔を「お父さんとお母さんと共に生きる希望の花」として「いつも一緒です」と締めくくった。
文を担当した千葉さんは「幼い子どもたちが亡くなった痛ましい事故。震災を忘れることなく、一人一人の命を覚えていてほしい」と呼びかける。
B5判、14ページ。石巻市門脇町2丁目のまねきショップで販売されており、1冊1000円。郵送を希望する場合は千葉さんへ連絡する。連絡先は招きショップ090(9536)2354、千葉さん090(2979)9503。
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