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師走点描 > 寒造りで味わい深く 新酒の仕込み(石巻市千石町)

職人が大きな釜から蒸したての米を取り出し、放冷機に入れる。冷まされた米は酒を仕込むタンクに運ばれた

 冷え込んだ蔵にもろみの香りが漂う。石巻市千石町の墨廼江酒造で、新酒の仕込みが本格化している。

 寒さの厳しい冬場に仕込む「寒造り」で、低温でじっくりと発酵させる。

 28日は早朝から、発酵を3回に分ける「三段仕込み」の2回目「仲仕込み」に取り組んだ。蒸して放冷機で冷ました酒米270キロを大きなタンクに投入。職人が適温の8度を維持しながら、櫂(かい)でこうじなどと混ぜ合わせ、もろみを造った。約1カ月発酵させると透き通った美酒が完成する。

 今年は猛暑の影響で酒米が硬く、吸水や温度管理に例年よりも気を配ったという。沢口康紀社長(59)は「お客さんに喜んでもらえる味わいになった。フレッシュ感があり、冷酒や常温がおすすめ」と話す。

 仕込みは来年4月ごろまで。冷え込みが増す1、2月は大吟醸などを仕込む。

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