魚市場水揚げ2023年 石巻208億円、震災以降最高 女川78億円、サンマは苦戦
石巻、女川両魚市場は28日、今年の業務を終了し、水揚げ実績が確定した。両市場とも地球温暖化の影響もあり主力魚種が不漁に見舞われ、数量は前年より減少した。一方で、両市場とも養殖ギンザケが伸びて売り上げを支え、金額は前年を上回った。
◇石巻魚市場
石巻魚市場の水揚げ量は前年比5.1%減の9万8184トン、金額は12.3%増の208億4089万円だった。数量は目標の10万トンに届かなかったが、金額は東日本大震災以降で最高だった。
魚種別の水揚げ高トップは養殖ギンザケで、前年比2.5%増の5977トン、金額は44億4675万円だった。マダコは319トンと震災後の最高だった2020年を上回る好漁だった。温暖化の影響とみられる。
魚種全体の数量減は主力のサバの不漁が大きかった。10月の水揚げがなく、ブランド魚「金華さば」のシーズン到来も過去最も遅い今月26日にずれ込むなど低調に終わった。
平均魚価は212円で、記録が残る1999年以降で最も高かった。佐々木茂樹社長は「仲買人や消費者にとっては良い話とも言えない。物価高で肉類などの安い食材に流れて魚離れが進まないよう、魚食の普及にも力を入れたい」と話した。
◇女川魚市場
女川魚市場の水揚げ量は前年比1.2%減の2万9235トン、金額は3.9%増の78億3666万円だった。
主力の養殖ギンザケは4.3%増の6136トン、金額は1.2%減の45億9307万円で、水揚げ高の半数以上を占めた。
深刻な不漁が近年続くサンマは岩手県沖に魚群が単発的に発生したこともあり、1838トンで前年より42.0%増えた。一方、小型が中心で単価が下がり、金額は0.6%減の8億7770万円だった。
丹野秀之専務は「サンマは3年連続の1000トン台で、数字が伸びない。昨年の約1300トンよりも量は揚がったが、不漁には変わらず、加工業者も苦労している」と語った。
来年については「養殖ギンザケに支えられることは変わらないだろう。東北を含めて海の環境が良くなり、サンマの数量も増えてほしい」と願った。
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