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受験生出迎え、釣石神社の鳥居再建 流失から12年 石巻・北上町

境内に再建され、参拝客を出迎える鳥居

 「受験の神様」として親しまれる石巻市北上町十三浜の釣石神社で25日、東日本大震災の津波で流失した鳥居が再建された。鮮やかな朱色の鳥居が、新年の参拝者を出迎える。

 鳥居は震災後に仮の鳥居が設置されていた境内東側に建てた。高さ約6メートル、幅7.4メートルで、柱と柱の間は「みんな合格」の語呂合わせで3.75メートルにした。雨風に強く腐らない硬質樹脂製で、光沢が出るようにウレタン塗料を吹き付けて仕上げた。

 神社は震災の津波で被災。高台の本殿は無事だったが、鳥居や社務所などが流失した。社務所を2016年に再建して以降、鳥居の整備費をためていた。今後は5~10年後を目標に手水舎やトイレの再建を目指すという。

 岸浪均宮司(68)は「震災から12年でようやく神社らしい姿になった。まだ完璧ではないが、一つ一つ前に進めていきたい。大空にそびえ立つ鳥居をくぐって、すがすがしい気持ちでお参りしてほしい」と語った。

 神社には落ちそうで落ちない岩が祭られていることから、受験生が多く訪れる。中学受験を控え参拝した美里町北浦小6年の中村莉愛さん(12)は「(色や形など)全てがかっこよく、すてきだ」と話した。

 鳥居の完成を祝う奉祝祭は来年5月4日、春祭りに合わせて実施する。神事や神楽の奉納を行い、出店も並ぶという。

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