ゆったりと、心も体もあったか 温浴施設を紹介 石巻地方
まだまだ厳しい寒さが続く。体の冷えや日頃の疲れを取るために、温浴はいかがだろうか。体の芯からじんわりと温め、心も体もほっこりいい気分。家のお風呂とは一味違う、ちょっと特別な石巻地方の温浴施設を紹介する。
島周の宿さか井(石巻市鮎川浜)
<太平洋と金華山 間近に>
創業40周年を迎えた石巻市鮎川浜の「島周(しまめぐり)の宿さか井」は、金華山を望みながら湯に漬かれる。石巻地方の人だけでなく、近くのオートキャンプ場の利用者からも愛される。
麦飯石(ばくはんせき)でろ過した湯は、石のミネラルが溶け出した弱アルカリ性。天然温泉に近い水質という。神経痛やリウマチ、肩こりや腰痛などへの効果が期待できる。
大浴場は広々とした内湯と露天風呂。オーシャンビューを楽しみながら、41~42度の湯で温まる。2018年にできた貸し切り風呂は窓から太平洋と金華山を独り占めできる。
「冬は朝と夜の入浴がお勧め」と話すのは遠藤大規営業部長(35)。夜は満天の星が瞬き、イカ漁船の漁り火が水平線に輝く。朝は金華山から昇る日の出を拝むことができる。遠藤部長は「何もない環境がまた良い。癒やしを求めてぜひ来てほしい」と語る。(石井季実穂)
■メモ:大浴場は午前7~9時と午後3~8時、大人700円、12歳以下500円。貸し切り風呂は午前11時~午後3時、予約制で45分間2800円。年末年始は休まず営業する。石巻市鮎川浜万治下1の7。連絡先は0225(45)2515。
いろどりの丘(東松島市野蒜ケ丘)
<岩盤浴 芯からじんわり>
皮膚に汗がにじみ、体の芯をじんわりと温めてくれる岩盤浴。ゆったりとした時間の中で心身共にリラックスできる。
お風呂やホテル、カフェ、介護施設などが一体となった複合施設「いろどりの丘」。東松島市内で唯一の岩盤浴施設。一般客も気軽に利用できる。
血の巡りなどを良くすることで免疫力の強化や新陳代謝の向上、自然治癒力を高める効果がある。入浴と休憩を自分のペースで繰り返しながら楽しむ。
サウナより低い室温45度の浴室で、10~15分ぐらい石の床に横になって体を温める。火照った体は木のぬくもりが感じられる岩盤浴専用のレストルームで冷ます。大きなソファやいすでくつろぐ。
伊東秀晃施設長(36)は「静かな空間で瞑想(めいそう)しながら呼吸を整えると気持ちが落ち着き、不安が取れる」と安らぎ効果を強調する。(相沢春花)
■メモ:1500円(ホテル利用者は1000円)。岩盤浴着やタオルなどは貸し出す。予約優先で利用は1回2時間。火曜定休。東松島市野蒜ケ丘2丁目25の2。連絡先は0225(25)7577。
KIBOTCHA(東松島市野蒜)
<木の香りに自然感じて>
東松島市野蒜の教育施設、未来学舎KIBOTCHA(キボッチャ)。防災教育などを受けられる施設で、家族や団体などのレクリエーションの場として親しまれる。大浴場とサウナがあり、一般客も利用できる。
施設は旧野蒜小を改装。大浴場がある場所はなんと職員室の一部だった。針葉樹のマキ(槙)の木でできた21平方メートルの浴槽は自然のぬくもりを感じられる。沸かし湯に特殊な石を入れた「水素風呂」。ホルモンの一種「グレリン」が発生し、リラックス効果によって自律神経を整えられる。
サウナは大きなたるをかたどった造りの「バレルサウナ」。熱した石に水を掛けて水蒸気を発生させ、発汗を促す「ロウリュ」を楽しむことができる。
キボッチャを運営する貴凛庁の三井紀代子代表(49)は「奥松島の自然を楽しみに来た方にご利用いただけるとうれしい」と話す。(渋谷和香)
■メモ:日帰りの大浴場は午前10時~午後5時、1日550円。宿泊料金はプランによって異なる。サウナはグランピングを利用できる「貸切サウナ&スタンダードBBQ」のプランでのみ使用できる。東松島市野蒜亀岡80。連絡先は0225(25)7319。
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