石巻市・市民満足度調査 公共交通や雇用、課題 震災伝承や防災は評価
石巻市は、第2次市総合計画(2021~30年度)に関する本年度の市民満足度調査の結果をまとめた。計画の基本施策28項目のうち、公共交通ネットワークや雇用創出などに関する4項目が満足度40%以下となり、特に低かった。これらは4年前の前回調査でも評価が低かったため、市は今後の重要課題に位置付けた。
満足度調査は総合計画に掲げた各施策の目標値の指標の指標とするため、市民意識調査を活用して昨年7~9月に実施。無作為に抽出した18歳以上の2700人を対象とし、郵送とインターネットで917人(34%)から回答を得た。
28施策の取り組みについて「満足」「やや満足」「やや不満」「不満」から当てはまるものを選んでもらい、「満足」「やや満足」と回答した割合を満足度とした。
重要課題4項目のうち「公共交通ネットワーク」の満足度は37.4%だった。年代別では、子どもの通学の送迎などを担う40代や運転免許証の返納が増える80歳以上が、地区別では雄勝、河南、桃生の各地区で不満の割合が高かった。
産業分野では「新たな雇用の創出」が31%、「産業を担う人材確保と育成」が34.6%だった。いずれも40~50代で特に満足度が低く、職業別では商工サービス業(自営業)と派遣・契約社員で不満と回答した人が多かった。
「効率的な行財政運営」は39%。30~50代の現役世代で評価が低かった。
満足度が高かったのは「震災を後世に伝える取り組み」(70.7%)、「防災教育」と「心と体の健康づくり」(ともに65.4%)、「地域の防災対策」(64.7%)などだった。
子育てや学校教育、高齢者福祉などでは、当事者世代からの評価が低い項目も目立った。市政策企画課の担当者は「各項目ごとにさらに詳細な分析が必要。市民の声を次の施策の展開に生かしたい」と語った。
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