イオンシネマ石巻・入江総支配人に聞く 2024年、アニメが強そう
2024年の映画興行がスタートした。正月映画に続いて、春先にかけてどんな作品が待機しているのか。イオンシネマ石巻(石巻市茜平4丁目)の入江悠平総支配人に聞いた。(カッコ内は公開日)
<邦画、実写にも期待>
昨年のイオンシネマ石巻の興行ベスト3は(1)ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2)名探偵コナン黒鉄の魚影(サブマリン)(3)君たちはどう生きるか-とアニメが独占した。
「流れからいくとアニメが強そう。24年の映画界をけん引するのでは」と見る。
バレーボールにかける高校生たちの熱い青春ドラマ「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」(2月16日)、「映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)」(3月1日)、「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」(4月12日)と続けて公開される。
■「鬼滅の刃」も
これらアニメ3作品に先駆けて「鬼滅の刃 絆の奇跡、そして柱稽古へ」(2月2日)もある。
実写の先陣を切るのは人気コミックの映画化「ゴールデンカムイ」(1月19日)。アイヌの埋蔵金を巡ってサバイバル・バトルが展開される。「アクションが中心なので男性向け。いかに客層を広げるかが鍵」
期待されているのは昨年、全国的にヒットした「キングダム 運命の炎」の続編「キングダム 大将軍の帰還」(7月12日)。
「ゴールデンカムイもキングダムも主演は山﨑賢人。今最も勢いのある俳優かもしれない」
■若い客層狙い
「若い客層に根強く支持されているのが旬のスターを使った恋愛映画」という。
今年は山田涼介と浜辺美波共演の「サイレントラブ」(1月26日)が共感を呼びそう。声を捨てた青年と光を失った音大生のラブストーリーである。監督が「ミッドナイトスワン」の内田英治というのも注目。
「あぶない刑事」シリーズのファンにとって8年ぶりの新作が「帰ってきたあぶない刑事」(5月24日)。舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子、仲村トオルと不動のレギュラー陣に土屋太鳳が絡む。「テレビ、映画ともに人気があったシリーズだが、果たして今の観客をどこまで引き寄せるか」
<洋画はSFの年>
外国映画は韓国発の「コンクリートユートピア」(1月5日)で幕開け。大災害で廃墟と化したソウルで唯一、崩落しなかったマンションを舞台にしたパニックスリラー。主演はイ・ビョンホン。
同日公開作品に「エクスペンダブルズ ニューブラッド」がある。シルベスター・スタローンとジェイソン・ステイサムに、新たなメンバーを加えたシリーズ最新作。自ら消耗品(エクスペンダブルズ)と名乗る傭兵(ようへい)軍団の活躍が見どころ。
海中アクション・エンターテインメントとして話題を呼んでいるのが「アクアマン 失われた王国」(12日)。海底アトランティスの王アクアマンが南極の氷河に眠る邪悪な海底王国と対決する。馬のように海中を駆るシードラゴンや巨大モンスターの登場も楽しみの一つ。
■金獅子賞作も
見逃せないのが「哀れなるものたち」(26日)。「女王陛下のお気に入り」の監督ヨルゴス・ランティモスが再びエマ・ストーンとタッグを組んで、観客を奇想天外な冒険物語に誘う。第80回ベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞した。
SF映画ファン待望の作品が「デューン 砂の惑星 PART2」(3月20日)。1作目から3年を経て物語は佳境に入る。壮大な宇宙戦争を100%、IMAXカメラで撮影。脅威の映像が見どころ。主演は「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」に続くティモシー・シャラメ。
もう1本、SF映画の大作が夏に控えている。「猿の惑星 キングダム」で、「この惑星には、まだ語られていない真実がある」という宣伝文句が意味深。
「洋画からもヒット作が生まれ、映画興行界全体を活気づけてほしい」と願う。
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