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新年の市場に活気 持続可能な産業構造目指す 石巻、女川

石巻魚市場で行われた今年初の競り=5日午前7時45分ごろ

石巻魚市場

 石巻市の石巻魚市場で5日、新年恒例の初売り式があった。市場関係者約200人が参加し、豊漁を祈願した。

 魚市場の昨年の水揚げ量は前年比5.1%減の9万8184トン、金額は12.3%増の208億4089万円。金額は東日本大震災以降で最高だった。

 佐々木茂樹社長は「昨年は平均魚価が212円と高く、市場は支えられた。安い魚を見つけるのが難しい時代になってきているので、消費者の魚離れにならないように、高くても買ってもらえるような工夫をしていかないといけない」とあいさつした。

 市場開設者の斎藤正美市長は「漁獲量が少なく値段が高い状態が続くと水産業界は苦しくなる。持続可能な漁業の実現を目標に、効率的な漁船の受け入れ態勢強化などを関係団体と共に進める」と述べた。

 初日はイワシ、タラ、マダコなど計約50トンが取引された。

女川魚市場

 女川魚市場でも同日、初売りが行われ、イワシ、サバ、ヤリイカなど計約250トンが水揚げされた。

 昨年の女川の水揚げ量は前年比1.2%減の2万9235トン。金額は3.9%増の78億3666万円だった。

石巻青果

 東松島市赤井の石巻青果花き地方卸売市場で5日、青果部の初市式が開かれた。関係者ら約150人が出席し、市場のさらなる発展を祈った。

 菊池和彦社長は「生産者に信頼される市場を目指し、人々の豊かな生活や食を守っていく」とあいさつ。石巻青果連合商業協同組合の守谷敏光理事長の音頭で手締めを行い、今年1年の商売繁盛を願った。

 この日はミカンやリンゴを中心に果実約50トン、ホウレンソウやトマトなど野菜約120トンが入荷。初競りで市場内には活気のある声が響き渡った。入荷が本格化するのは連休明けの9日ごろからの予定。

 市場では花き部も初市式を開催した。

 トラック運転手の残業規制強化に伴う「2024年問題」が指摘される今年の業務について、菊池社長は「運送会社と共に物流負荷の軽減や、(荷の積み下ろしの手間を省く)パレット物流を定着させていきたい」と考えを明かした。

地元産のホウレンソウなどが並んだ初競り。威勢のいい声が飛び交った=5日午前7時45分ごろ

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