地域防災へ決意新た 石巻地方各地で消防団出初め
石巻市 能登・犠牲者の冥福祈る
石巻市消防団の出初め式は8日、同市大橋1丁目の石巻消防署東の空き地で開かれた。市内7地区の消防団員約500人が寒空の下、火事のない安全な街を目指し、決意を新たにした。
冒頭、能登半島地震の犠牲者の冥福を祈り、黙とうをささげた。斎藤正美市長は「なりわいを持ちながら有事の際は地域の安全を守るために活躍している団員の皆さんに敬意を表する。訓練を通じて常に消防技術の習得に努めてほしい」とあいさつした。
市消防団の後藤嘉則団長は、能登半島地震に触れ「東日本大震災を思い出した。記憶を風化させずにより一層活動にまい進しなければならない。消防団の任務の重要性を再認識し、消防人として研さんするよう期待する」と訓示した。
各地区2台、計14台のポンプ車や小型ポンプを積載した車両から一斉に放水。親子連れなど市民らが放水を見守った。
会場の空き地は市が防災拠点の広場として整備しており、2月末の完成予定。
東松島市 高まる役割認識
東松島市の消防出初め式は7日、市鷹来の森運動公園であった。消防団員や婦人防火クラブ員ら約320人が防火と防災への誓いを新たにした。
参加者が能登半島地震の犠牲者に黙とうをささげた後、渥美巌市長は「異常気象や自然災害が多発する近年、消防団の役割はますます重要になっている。誇りと自信を持って任務にまい進してほしい」とあいさつした。
桜井光悦団長は「火事抑止を目指し予防・消火に努めてほしい」と訓示した。
式典後、整列した代表の団員がポンプ車などで一斉に放水し、威勢よく青空に弧を描いた。
市交通・防犯関係団体の出動式も同日、市役所であり、参加した市交通安全防犯推進協議会や石巻署が市民の安全確保を誓った。
女川町 無火災願い一斉放水
女川町の消防出初め式は5日、JR女川駅前などであった。消防団員や消防署員、町職員ら約150人が参加。駅前で須田善明町長らの観閲を受け、駅前の商店街「シーパルピア女川」を行進した。
女川港では一年の無事故、無火災を願い、ポンプ車などが一斉放水。カラフルな水のアーチを描いた。
町生涯学習センターで団員への表彰伝達があり、須田町長は能登半島地震に触れ「被災された方々の気持ちを考えると心が痛む。いろいろな形で女川町から勇気や希望につながることをしたい」と式辞を述べた。
佐藤孝義団長(71)は「火災は一瞬で命や財産を奪ってしまう。地域防災の要として消防団の重要性を再認識し、訓練を重ねていく」と決意を語った。
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