辰年の飛躍誓う　年男・年女アスリート（下）　日本製紙石巻野球部

　社会人野球の日本製紙石巻硬式野球部は２０２３年度、新加入選手として投手３人、外野手２人を迎えている。昨シーズンの振り返りを、辰年生まれの星野健太投手（２３）、金井涼太外野手（２３）に聞いた。

星野健太投手（２３）

　山梨学院高３年の頃、夏の甲子園大会に出場。高知商と対戦した。投手だったが、春まで外野手を兼ねていたこともあって、最終回に１死で代打として出場した。

　「突然代打と言われて驚いたのを覚えている。バッティングは好きだったが、空振り三振で終わってしまった」。チームは初戦で敗退した。

　最速１４７キロ、決め球はスライダー。真っすぐで押し、三振を狙う投手だ。

　昨年、序盤は左肩のけがで出遅れ、８月中旬ごろからオープン戦などで登板。公式戦は社会人野球日本選手権の予選と、ＪＡＢＡ東北地区連盟会長旗争奪野球大会に中継ぎや先発として出場した。

　「大学では抑えられていたコースが、ファウルや安打にされてしまう。打者の技術が高いと感じた」と振り返る。

　けが防止のため、投球練習の前にチューブでのトレーニングを取り入れた。体の細さへの対策で、ウエートトレーニングなど、筋トレに力を入れる。「ウエートは２人一組で行うが、普段優しい先輩が厳しく追い込んでくれる。筋肉がしっかり付いていく実感があり、体重８２～８３キロ辺りを目指し、球速アップにもつなげたい」

　今年は都市対抗野球大会、社会人野球日本選手権出場への貢献を誓う。「昨年の序盤はチームの力になれなかった。先発、中継ぎ問わず、任せられた役割に精いっぱい取り組みたい。両大会に導けるような活躍をしていきたい」と力を込めた。

　２０００年５月、山梨県甲斐市出身。１７７センチ、８０キロ。左投げ左打ち。山梨学院高－山梨学院大。

金井涼太外野手（２３）

　桐蔭横浜大３年の時、全日本大学選手権に出場。４年時を含め、神奈川大学野球春季リーグで２年連続ベストナイン（外野手）に選ばれた。

　印象に残っている試合は３年時、１番中堅として出場した大学選手権だ。３－２とリードして迎えた八回の守備。ライナー性の打球が、目測を誤ったため頭上を越す安打になってしまい、逆転を許した。

　しばらく立ち直れずにいたが、大会後に社会人野球チームと対戦する経験ができたことで立ち直るきっかけが生まれた。同期のチームメートだった吉田賢吾選手（現ソフトバンク）が気を配って声をかけたり進路で悩んでいた時期に連絡してくれたりしたことも、前を向く気持ちにつながったという。

　俊足を使い、守備をかき回すのが持ち味。塁間の走り方、盗塁技術を磨き続ける。昨年は社会人野球日本選手権の予選やＪＡＢＡ東北大会などに出場してきた。「スタートが苦手だったが、コーチや先輩に助言をもらい、徐々につかみかけてきた。出塁し、相手投手にプレッシャーをかけるとともに、次の打者に余裕を持って打席に入ってもらいたい」と意気込む。

　今年の目標には、オープン戦も含めて３０盗塁、打率３割越え、出塁率４割を掲げる。目標達成のため毎試合記録を付け、細かく自己分析をしてきた。

　「限界までウエートトレーニングに取り組むことで体幹が強化され、体のバランスが良くなってきた。試行錯誤を繰り返し、今後のキャンプやオープン戦で成果を試していきたい」

　２０００年４月、群馬県沼田市出身。１７０センチ、７４キロ。右投げ左打ち。樹徳高－桐蔭横浜大。