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効果音の魅力体感 石巻・キネマティカでワークショップ 小道具使い、映像に重ねる

小山さん(右)が手伝いながら、金属の籠を使って効果音をつくり出す参加者

 映像を再生しながら効果音を録音する「フォーリ-」のワークショップが21日、石巻市中央1丁目のシアターキネマティカであり、約20人がさまざまな道具を使ってフォーリ-を体験した。

 「DUNE砂の惑星」や「グレイテスト・ショーマン」など多くのハリウッド映画に関わったカナダ在住のフォーリ-アーティスト小山吾郎さん(50)が講師を務めた。小山さんのスタジオの写真を見ながらフォーリ-の仕事について学んだ後、小山さんが用意した道具や、参加者が持ち寄った道具を使い、約3分間のオリジナルSF映像作品に効果音を付けた。

 雪の上を歩く足音には、片栗粉を入れたゴム手袋をもむ音を、風に木の葉が揺れる音には、裂いたビニールをこすり合わせる音を、それぞれ合わせた。参加者が持ち寄ったすりおろし器やカセットテープケースなども使った。

 参加した同市千石町の音楽家、四倉由公彦さん(40)は「複数の音を重ねると、こういう音になるんだという新しい発見があった。日常の音も映画のように一つ一つ生きているんだなと思った」と語った。

 ワークショップのために石巻に足を運んだという宮崎市の劇場職員鈴木陽介さん(32)は「他の参加者や小山さんの発想から、表現の豊かさを学んだ。撮影時の音の方が生っぽいのではと思っていたが、効果音を付けることで映像が生き、存在感が出て、表情を感じられた。音の力を感じた」と話した。

 小山さんがワークショップを始めたきっかけは、2012年に石巻市内であった移動映画館。作品にどのように音を付けたかデモンストレーションをし、観客に好評だった。以後、東京や神戸、フランクフルトやニューヨークなどでワークショップを開いてきた。

 小山さんは「元気になった石巻を見たいと思って来た。最高に楽しかった。参加者が子どものように楽しむ様子が大好き。キネマティカは理想的な場所。またやりたい」と語った。

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