延焼防ぐ水のカーテン 文化財防火訓練、キビキビと 石巻・給分浜
26日の文化財防火デーにちなみ、文化財の防火訓練が27日、石巻市給分浜であった。参加者らは日頃の訓練の成果を発揮し、文化財を火災から守る手だてを再確認した。
訓練は、鎌倉時代から伝わるとされている国指定重要文化財、木造十一面観音立像の収蔵庫と、同じ敷地内にある県指定文化財の持福院観音堂で行われた。市消防団牡鹿地区団を中心に、各地区団の代表、石巻東消防署牡鹿出張所の所員ら約120人が参加した。
下草が燃えているのを参拝者が発見、119番して初期消火を試みるも火勢が衰えないとの想定で実施。出動隊が放水する流れで行われた。通常のホースによる放水のほか、廃棄ホースの腹に50センチ間隔で穴を開けた水幕ホースで、水のカーテンをつくり、延焼を防ぐ訓練もあった。
立像と観音堂を管理する陽山寺の藤沢智洋住職(55)は「牡鹿半島は冬になると北西寄りの乾燥した風が吹く。万が一この時期に火災が発生するとすぐに燃え広がり、山林火災の恐れもある。文化財が火災に遭うと何も残らなくなってしまう。後世に残すためにも火災予防にご協力をお願いしたい」と語った。
文化財防火デーは1949年1月26日に奈良県の法隆寺金堂壁画を焼損したことから定められた。石巻市では毎年この時期に文化財の防火訓練を行っている。
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