異常気象に負けない野菜作るぞ 県東部地方振興事務所がセミナー 生産者ら100人参加
県東部地方振興事務所は「異常気象に負けない野菜生産セミナー」を石巻市あゆみ野5丁目の県石巻合同庁舎で開いた。仙台管区気象台の職員や大学教授らが講話。参加者は、昨年の猛暑を振り返りながら野菜の生育と高温障害について知識を深めた。
セミナーには石巻地方を中心に、県内の生産者や直売所関係者ら約100人が参加した。
明治大農学部の岩崎泰永教授は「高温障害の原因はさまざまなものがある。花数の減少など、光合成で生み出される体内糖濃度の不足が原因の場合はいくつか対処ができる」と説明。「光合成量と温度、水の三つの要素のバランスが成長に影響する。気温を下げようと植物を遮光すると、体内糖濃度の不足が顕著になり生育不良や収量の低下につながる」と話した。
仙台管区気象台の浜浦俊悦情報利用推進官は「昨年の猛暑は北日本近海の海水温が記録的に高かったことや、地球温暖化、太平洋高気圧の本州付近への張り出しなどが要因とみられる。気象庁のホームページを活用し、2週間気温予報や早期天候情報を参照してもらいたい」と紹介した。
県東部地方振興事務所農業振興部の関口道部長は「昨年の猛暑は管内の主力であるミニトマトやネギ、小ネギ、ホウレンソウなどに影響した。品目によっては9~11月の出荷量が前年の6~8割にとどまった。最新の知見や技術を共有し、生産につなげてほしい」と期待した。
セミナーは今月10日に開かれた。
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