平和の重要さ訴え ウクライナ避難民・イリナさん、石巻専修大で講話 教員目指す学生にエール
ロシアの軍事侵攻でウクライナから石巻市に避難しているイリナ・ホンチャロヴァさん(64)が1月24日、石巻市南境の石巻専修大で講話をした。小学校教員を目指す人間学部人間教育学科3年生16人が学ぶ「総合的な学習の時間の指導法」の授業にゲストティーチャーとして出席、自国の文化について話し学生と交流した。
イリナさんは映像で侵攻前の自国の図書館や劇場、駅を紹介。爆撃で破壊された市街地の写真と、太平洋戦争で原爆が投下された広島市と見られる写真を示し「とても似ている」。実物や動画で伝統衣装「ヴィシヴァンカ」、舞踊「ホパーク」も紹介した。
2022年2月24日にロシアのウクライナ侵攻が始まって間もなく2年。母国で小学校の教員をしていたイリナさんは「世界で最も重要なことは平和。(国同士は)互いに友達でなければならない」と呼びかけた。
戦争終結後はウクライナと日本の子どもたちによるオンラインでの交流に期待を示し「コミュニケーションを取り、お互いのことを知ってほしい」と述べた。
教育の重要性に触れ「子どもたちに愛情を持った小学校の先生になってほしい」とエールを送った。学生と共に新北上川のヨシを活用した紙すき体験もした。
総合的な学習の時間で進める探究的な学習の課題は、持続可能な開発目標(SDGs)に関連した世界情勢や国際理解、環境問題、福祉など。イリナさんの招待に協力した石巻市大谷地小の藤坂雄一教諭は、総合的な学習の時間で扱うテーマに関わる人材とのつながりをつくることを勧めた。「SDGsの学習では人材とアイデアが授業づくりのポイント」と助言した。
「総合的な学習の時間の指導法」の授業を担当する横江信一特任教授は「SDGsの目標16は平和と公正を全ての人に。人類愛です。これを子どもたちに伝えるのは皆さんです」と語りかけた。
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