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キネマティカで演劇プログラム開幕 菊池佳南さん一人芝居、魅せる

シンプルな舞台セットでの一人芝居。昭和歌謡曲で2人の女性の人生を浮かび上がらせた菊池さん=3日

 仙台を拠点に活躍する俳優菊池佳南さん(37)=岩沼市出身、うさぎストライプ/青年団所属=の一人芝居「ゴールデンバット」が3、4の両日、石巻市中央1丁目のシアターキネマティカで1回ずつ上演され、市内外から詰めかけた演劇ファンの熱気に包まれた。

 キネマティカを活用した石巻劇場芸術協会の演劇プログラム「FISH BOOK(フィッシュブック)」で、2週にわたり石巻地方ゆかりの俳優が登場。第1弾を飾った菊池さんは東日本大震災後、芝居を通して被災地を元気づけてきた。「ゴールデンバット」は2017年の「いしのまき演劇祭」以来、7年ぶりの石巻地方再演となった。

 東京で地下アイドルとして活動する梅原純子と、50年前に東松島市矢本から歌手を目指し上京した海原瑛子の人生が交錯する約60分の芝居。菊池さんは「かもめが翔(と)んだ日」や「喝采」「悲しくてやりきれない」など昭和歌謡曲を熱唱、2人の女性の人生を浮かび上がらせた。

 定員30人の会場は2日間とも満席。観客は、海原と梅原のほかに恋人や家族らを演じ分ける菊池さんのパフォーマンスを楽しんだ。市内の50代女性は「パワーあふれる一人芝居に圧倒された」と感激した。

 菊池さんは「ここは親しみが沸く劇場。場所の力を借りることができた」と充実感をにじませた。うさぎストライプ主宰で作・演出の大池容子さん(37)は「石巻には文化が根付いている。これを機会に年に1回は上演したい」と語った。

 10、11日は石巻市渡波出身の俳優小林四十さん(48)=東京都=が出演する。連絡先はシアターキネマティカ0225(98)4765=水・金・土・日曜の午前11時~午後5時。メールはkinema@r-ishinomaki.net

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