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「自己調整力」、授業で育む 試行錯誤の場を設定 石巻地方の小学校

算数の授業でグループを組んで適用問題を解く児童たち。試行錯誤しながら自己調整力が育まれていく=石巻市鹿又小

 学校教育で児童生徒の主体的に学習に取り組む態度が重視される中、石巻地方で「自己調整力」を育む授業づくりや、場の設定に注目が集まっている。

 理解する、考えるといった自分の認知能力を客観的に捉えることのできる能力(メタ認知)もその一つとされる。変化が激しい世の中を生きていく上で、自ら課題を解決していくための自己調整力を身に付けていくことは大切な要素となる。

 「学校の授業では試行錯誤の場が大事になる」。石巻市石巻小(児童281人)の新井雅行校長は語る。「壁を解決するためにどんな手段がいいのか、考え、グループを組んで友達の話を聞くなど1人で試行錯誤する。そうした経験を重ねることで自己調整力は育まれていく」と説明する。

 自己調整力は、児童生徒が自己の学習状況を把握しながら課題解決を図っていく力と言える。

 自己調整力を高めていくためには「自己評価能力」を高める必要があるという。新井校長は「5~10分の振り返りの時間を設け、学びを振り返って確認し次に生かすというサイクルが重要」と強調する。

 自己調整力は「自己管理能力」とも言い換えられる。新井校長は「生徒指導の究極の目標は自己管理能力の育成にある」と指摘する。

 同市鹿又小(児童307人)では、情報通信技術(ICT)を活用した「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に進める算数の授業を実施する。

 授業後半に学習内容を定着させる「適用問題」の時間を20分設定し、1人で集中したり、ペアやグループになったりして教科書の問題や算数ドリルなどを解いていく。分からないときは「教えて」と言える助け合う授業だ。

 浦山正幸校長は「児童が自らの能力を見極め、級友に助けを求めたり、課題解決の方法を自分で考えたりする自己調整力が育まれる」と語る。

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