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災害備蓄品を1箱に 就労支援事業所「みどり園」、梱包作業の受託開始 東北初

職員と一緒に梱包作業をする武山さん(左から2人目)と中村さん(左から3人目)
梱包された75品目。被災地の声を聞き、中身は常に更新、追加されている

 災害支援会社ガーディアン72(東京)が、災害発生後72時間に必要になる生活用品を入れた箱「G72BOX」を企画、事業化した。箱の梱包(こんぽう)作業が9日、石巻市不動町1丁目の市社会福祉協議会障害者就労支援事業所「みどり園」で始まった。

 G72BOXはレトルト食品や水、衛生用品など75品目を収納する箱。同社の有馬朱美社長(61)が東日本大震災後、同市を訪れた際に事業化を思いつき、2012年に法人化した。市社協とは昨年11月28日に梱包作業の委託契約を結んだ。

 初日は園の利用者2人と職員3人が作業に参加。午前中は有馬社長から検品や梱包の方法を教わった。午後は箱を組み立て、水や食品などを箱詰めした。気持ちよく受け取ってもらえるように、箱を止めるテープはしわができないように張り付けた。

 利用者の武山郁子さん(54)は「箱にぴったり詰めるところが少し難しかった」と話し、中村和正さん(39)は「練習すればもっとうまくできる」と意気込んでいた。

 園の利用者は29人で、今後2、3人態勢で作業を行う予定。報酬は1箱350円で1カ月1000箱の作製を目指す。市社協の久保智光常務理事(64)は「作業工程を確立し、他の事業所にも広められるようにしたい」と語った。

 G72BOXは現在、21の自治体で備蓄され、61自治体が検討、要請している。梱包は賛同する4企業の支援を受け、みどり園を含め3カ所で実施。東北・北海道エリアでは同園が初めて。有馬社長は「近隣の備蓄したい自治体などに届けられるような拠点にしたい。支援してくれる企業も増やしていきたい」と話した。

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