「ホーホー」防火と厄払い 石巻・寺崎地区で初午 道化ら、家々巡る
石巻市桃生町寺崎地区の伝統行事「初午(はつうま)」が11日、同地区であった。道化や獅子、てんぐにふんした若者たちが無病息災や火伏せを願い、地区内の約200戸を巡った。
寺崎法印神楽保存会のメンバーを中心に、20~70代の約15人が参加。二手に分かれ、道化役が「ホーホー」と大きな声を上げながら住宅を訪問。玄関や居間ではサカキの枝を振りながら厄を払い、清めた。獅子頭は地域住民の頭をかむしぐさをして健康を祈った。
訪問を受けた会社員高橋初夫さん(67)は「かけ声や太鼓の音を聞くと『初午』の日が来たと思う。時代の流れで家の中まで入ることは少なくなったが、こうした行事があるのはいいことだ」と話した。
初午は、明治時代に寺崎地区が大火に見舞われたことから、防火と厄払いを兼ねて始まったと言われる。震災以前は地区の青年会が実施したが、2012年から保存会が引き継いだ。
新型コロナウイルスの感染拡大で休止が続き、4年ぶりの開催となった。今回から全戸訪問をやめ、時間帯や生活状況を踏まえ、訪問を希望しない家には防災訓練で使用した黄色いタオルを玄関先などに掲示してもらった。
同保存会の高橋義一会長(75)は「世代交代の中で後継者不足が続いているが、地域住民や子どもたちのためにも伝統を守り、残していきたい」と話した。
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