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持続可能な観光開発を 石巻で国際シンポ、海外研究者ら提言 「独自の夢中体験、重要」

石巻の観光について考えたシンポジウム

 東日本大震災で被災した石巻地方を観光地の側面から考える「観光学を学ぶ国際シンポジウム」が14日、石巻市中央2丁目の同市かわまち交流センターで開かれ、オーストラリアの観光学者2人が講演した。

 国際的な観光学の第一線で活躍する南オーストラリア大のグラハム・ブラウン名誉教授、ロブ・ハラック准教授がそれぞれ講演し、観光地としての石巻地方への考えを述べた。

 ブラウン氏は石巻市と蔵王町を訪問。「観光ならびに持続可能な発展の利点を理解する」と題した講演で、観光システムは環境や経済、政治によって利益などが左右されることを説明。住民が地元を観光地だと認知することが重要で「地域の特色を理解した住民らが観光地の経営をすることで、持続可能な観光開発ができる」と指摘した。

 ハラック氏はオンラインで、観光企業が成功するには何が必要か説明。日本の企業のうち99.7%を占める中小企業に着目し、課題や解決策を提案した。オーストラリアでは仮想現実(VR)の活用や海上で海産物を提供する企業があり「独自の没入感(夢中になること)がある体験を提供することが重要だ」と話した。

 シンポジウムには15人が参加。質疑応答では「震災遺構は観光でどのような効果があるか」との質問に、ブラウン氏は「住民が地域を誇りに思うことができ、良い効果がある」との見解を示した。「どこまでの没入感が望ましいか」との問いに、ブラウン氏は「予算やターゲット層で異なるため、顧客のニーズを考えて提供することが必要だ」と答えた。

 石巻圏観光推進機構と東北学院大経営学部観光研究チームが共催した。

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