ウクライナ高官、来訪 がれき処理「東松島方式」に関心 侵攻2年、キーウに50万トン
ウクライナの政府高官ら10人が19日、東日本大震災で被災した東松島市を訪問し、がれき処理の方法などについて視察した。ロシアのウクライナ侵攻から24日で2年。震災復興で得られた知見をウクライナ再生に生かそうとする国際協力が続いている。
訪れたのは同国の復興庁、地方・国土・インフラ発展省の高官ら。市役所では渥美巌市長があいさつで「東松島の街づくりなどの事例が、少しでも戦後を見据えたウクライナの復旧、復興の役に立てられれば幸い」と期待した。
同省戦略的計画・地域政策局のディミトロ・トゥルチャク局長は「日本の多大なご支援はありがたい。現在もウクライナの空にはミサイルが飛んでいる。地域によるが、ロシア侵攻により被害を受けている」と復興に向けた見通しが立たない現状を説明した。
市復興政策課は被災、復興の歩みを説明。がれき処理については災害廃棄物をリサイクルする「東松島方式」を紹介した。土砂やガラス類などの混合ごみを、手作業で19品目に分別。市の震災がれき109万8000トンのうち、約97%のリサイクルに成功したことを伝えた。
同省プロジェクト運営事務局の専門家タラス・ペチョンチーク氏によると、首都キーウ州のがれきは約35万トン。倒壊した建物を含めると約50万トンが残されているという。「がれき処理の知識などを共有してくれてうれしい。日本の機材などを使いながら処理に取り組んでいきたい」と興味を示した。
一行は市震災復興伝承館も見学した。13日に来日。20~22日は女川町などを視察し、都市復旧や産業復興などについて視察する。
国際協力機構(JICA)が「ウクライナ緊急復旧・復興プロジェクト」の一環として招待した。
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