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学校の安全推進 渡波中にSPS認証 命を守る活動、評価

SPSの旗を披露し、記念撮影に臨んだ渡波中の生徒代表ら

 学校の安全を「生活」「災害」「交通」の3分野で推進しようと、大阪教育大などが展開する「セーフティプロモーションスクール(SPS)」に本年度、新たに石巻市渡波中(生徒296人)が選ばれた。生徒が考えた災害想定で部活動中の避難訓練を実施するなど、防災に特化した取り組みで命を守る活動に力を入れてきた。

 同校で2月21日にあった認証式には関係者や来賓、全校生徒の計約310人が出席。同大の藤田大輔教授(大阪教育大学校安全推進センター長、日本SPS協議会理事長)と阿部勇志校長が協定書に調印した後、藤田教授が生徒代表に認証証明の盾と旗を手渡し「安全に向けた活動を主体的、積極的に実践してほしい」と期待した。

 生徒代表の2年生川上姫依さん(14)が「地域と協働して、より安全で安心な学校、地域を目指していく」と述べた。阿部校長は「卒業後、生活していく中で災害に遭う機会は多々ある。洪水や土砂災害、地震に備え、自分の命をしっかり守っていくことを改めて考えてほしい」と呼びかけた。

 渡波中は東日本大震災で被災し、内陸部に校舎が移転新築された。本年度は2回の部活動中の避難訓練の他に、復興防災マップを作製し、地域の人に見てもらったり、市総合防災訓練の中で地域の人とマップを点検したりした。

 SPSは地域や家庭と連携した安全な教育環境を整えた学校を認証する取り組みで、日本SPS協議会が認証する。2001年に児童8人が犠牲になった大阪教育大付属池田小殺傷事件を教訓として14年に始まった。

■和渕小も選ばれる

 東北での学校の認証は石巻市のみ。震災の最大被災地で「より安全な石巻の学校づくりを」という視点で市内の小中で取り組みが進められている。本年度は市内で15校目となる渡波中の他、新たに和渕小も認証された。

 認証校は教職員、児童生徒、保護者、地域の人が協力して学校安全推進の取り組みを展開する。

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