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石巻・旧大川小で「竹あかり」 108本の光、天まで届け 防災啓発誓う

竹あかりや灯籠の柔らかな光が校庭を照らした

 東日本大震災の津波で児童74人と教職員10人が犠牲になった石巻市旧大川小で11日、追悼イベント「大川竹あかり」が開かれた。メッセージが書かれた灯籠や当時の児童数に合わせた108本の竹筒が校庭に並べられ、発光ダイオード(LED)の温かい光に包まれた。

 遺族や地域住民で構成する一般社団法人「大川竹あかり」が主催し、今年で3年目。竹あかりに使用した竹には、事前の5回のワークショップで、全国から参加した約500人がさまざまな模様を彫った。

 当日は「想(おも)い続ける」「このあかりが多くの人に届きますように」などのメッセージが寄せられ灯籠に貼り付けられた。灯籠は、天国の子どもたちに届くことを祈り、真上から見ると星形になるよう並べられている。参加者は子どもたちを象徴したヒマワリの花を竹に生けて飾った。

 幼稚園来の友達を亡くし、毎年訪れている専門学校卒の首藤みうさん(20)=石巻市新栄2丁目=は「多くの児童が亡くなり、遺族の方の苦しみを思うと胸が痛い。明るく照らすイベントで前を向く気持ちになれたら良い」と話した。

 6年生だった三男雄樹君=当時(12)=を亡くした大川竹あかり代表理事の佐藤和隆さんは「震災から13年で私たちの意識も風化してきている自覚があったが、1月の能登半島地震を受けて忘れてはいけないと思った。救える命は今後も救っていきたいという思いで、防災の啓発に努めていく」と話した。

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