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故鈴鹿さんの「昔語り」上映 古里・石巻で追悼イベント 在りし日の姿しのぶ

初演時の俳優が再結集し、鈴鹿さんの古里で上演した「結婚の申し込み」。(左から)杉本さん、高橋哲彦さん、鈴木幸生さん=15日

 昨年7月に67歳で亡くなった石巻市出身の俳優鈴鹿景子さんを追悼するイベントが今月15~17日の3日間、同市中央1丁目のシアターキネマティカであり、市民は志半ばで逝去した鈴鹿さんの俳優人生に思いをはせた。

 イベントは2部構成で、鈴鹿さんのライフワークだった方言による一人芝居「ふるさとの昔語り」を収録したDVD上映会と、鈴鹿さんが2019年に演出した芝居「結婚の申し込み」(チェーホフ作)の上演があった。

 上映会で「屁(へ)ったれ嫁さん」や「雪女郎」といった昔話を方言で表情豊かに語る鈴鹿さんが映し出されると、実際に目の前で一人芝居をしているような空気に包まれた。

 「結婚の申し込み」は男女3人による短編の喜劇で、5年前の東京での初演時に鈴鹿さんの演出で出演した俳優3人が再結集。キネマティカの舞台に立ち、石巻弁で演じて笑いを誘った。

 3日間で計5回の公演には、各回とも多くの市民が詰めかけ、石巻女高(現・石巻好文館高)卒業と同時に上京し、俳優・演出家として半世紀近く活躍した鈴鹿さんをしのんだ。

 同市前谷地の女性(65)は「私も同じ高校出身。素晴らしい先輩がいたことは誇り。もっと活躍してほしかった」と早過ぎる死を悼んだ。

 出演者の一人、杉本朋美さんは「ほぼ10年の付き合いだった。鈴鹿さんの古里で舞台に立てたのは感慨深いものがあった。彼女が客席から温かく見守っている気がした」と語った。

 鈴鹿景子事務所(東京都大田区)プロデューサーで、公私で共に歩んできた鬼嶋英治さん(80)は「65歳を転機に古里に戻って演劇をするのが彼女の夢だった。コロナが襲い、病気が追い打ちをかけた。このような形での公演となったが、たくさんの応援を頂き故人も喜んでいると思う」と感謝した。

 追悼イベントは中学時代の同級生ら市民有志で結成した実施する会が中心になって行われた。

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