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被災跡地が交流拠点に 女川町民農園、完成 1区画6000円で貸し出し 来月1日開園

農園前でテープカットをする関係者
4月1日に利用が始まる町民農園。町民同士の交流促進が期待される

 女川町が東日本大震災の被災跡地に整備を進めていた町民農園が完成し、竣工(しゅんこう)式が19日、現地で開かれた。町は野菜や花の栽培を通した町民同士の交流促進を期待する。4月1日に開園する。

 町民農園は同町清水2丁目の女川スタジアム南側に整備した。震災前は住宅や水産加工場などが立ち並ぶエリアで、庭先で野菜などを育てる家庭もあった。復興事業で整備した災害公営住宅では敷地内に広い畑を確保できないため、町は被災跡地の利活用や住民同士の交流機会創出にもつなげようと構想を描いてきた。

 広さは約1300平方メートル。30区画(1区画16平方メートル)を設け、1区画を年間6000円で町民に貸し出す。水道や農機具倉庫、駐車場を整備。小型の耕運機やスコップなど共同利用できる道具もそろえた。周囲はシカよけのフェンスで囲んだ。

 整備工事費は約1025万円。NTTドコモが2012年度から復興支援として町に贈る「災害復興等応援社員募金」も活用した。

 竣工式には利用者や関係者ら約40人が出席した。須田善明町長は「町民からも意見をもらい、ようやく形になった。幅広い世代の生きがいやコミュニケーションが生まれる場になってほしい」と語った。

 近くに住む利用者の佐藤伶奈さん(33)は「野菜や花作りの勉強のために借りた。子どもと一緒にハーブなどを育ててみたい」と話し、「農園に来た方々から栽培についての話を聞くなど交流も楽しみ」と期待した。

 町によると、現在は16区画の利用が決まっている。残りの区画は今後、利用者を募る。連絡先は町産業振興課0225(54)3131内線663。

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