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働く大変さや喜び体感 子どもたち、仮想の街で職業体験 「給料」も 東松島

放送局で仕事する子ども(左)がパン屋で働く子ども(右)にインタビュー
給料を「銀行」で引き出す子ども(右)

 子どもが職業を疑似体験しながら暮らしと経済について関心を深めるイベント「キミいろタウン」が24日、東松島市矢本西市民センターで開かれた。多くの子どもが来場し、仕事を体験。働くことの大変さや喜びを実感したり、報酬(疑似通貨)の使い方を考えたりと有意義な一日を過ごした。

 NPO法人「いろどり・みんなのみち」が主催した。会場には「市役所」「学校」などの仮想施設が設けられ、参加者は、受け付けとなる市役所で市民になる手続きを済ませた後、隣の学校で街の仕組みを学んだ。その後「仕事センター」でやってみたい職業を選んで働いた。15分働くと疑似通貨の50イーナ(50円相当)の給料を銀行で引き出すことができる仕組みだ。

 職業は八百屋、パン屋、駄菓子屋、花屋、記者、銀行員、アナウンサー、アミューズメント経営者など15種類以上。八百屋、パン屋、駄菓子屋では、本物の食べ物を扱い、市内の上区産のネギやイチゴのほか、クリームパンやあめなどを販売した。

 矢本東小2年の鈴木貴一君(7)は八百屋や花屋、図書館などで働いた。記者の仕事にも挑戦し、会場内のゲームでどれが1番人気か取材したという。「たくさんお金がたまったけれど、いろいろ遊んで使ってしまった。30分働いて100イーナしかもらえない。お客さんからもらうお金を全部お給料にしてくれたら」とやや不満そうな表情も浮かべた。

 街の準備や企画を行ったこども実行委員の矢本東小2年阿部ななみさん(8)は「売る品物を作ったり、準備をしたりした。お客さんが来なくて暇な時があったり、たくさん来て忙しくなったりしたのも楽しかった」と笑顔で答えた。

 キミいろタウンは全国で行われている似た事例を参考に東松島市で初めて開催。地域住民も「観光客」という設定にして迎え、銀行で現金をイーナに両替できるよう工夫した。いろどり・みんなのみちの浅野和久代表(40)は「子どもたちが積極的にやっているので、成功体験になるかなと思う。来年以降はもっと大きくして、子どもと地域が一緒になってつくっていけるイベントにしたい」と語った。

 市民センターの別室では、木工雑貨や乳製品の販売、マッサージ体験などのマルシェを開催。駐車場には唐揚げやロングポテトなどのキッチンカー4店も出店し、大人も楽しめるよう工夫した。

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