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地価公示 石巻・住宅、7年連続下落 東松島、9年ぶり上昇 利便性で二極化傾向

石巻地方で最も高い上昇率となった東松島市矢本下浦

 国土交通省は26日、1月1日時点の公示地価を発表した。石巻市の住宅地の平均価格(1平方メートル当たり)は前年比0.6%マイナスの3万1000円で、7年連続で下落した。東日本大震災の移転需要収束や高齢化、物価高騰の影響が続いている。一方で、生活利便性が高い蛇田地区の2地点が市内で5年ぶりに上昇。東松島市は矢本地区の需要が堅調で9年ぶりに上昇に転じた。両市内でも利便性による二極化の傾向が見られた。

 石巻市の平均変動率の下落幅は前年のマイナス1.0%から0・4ポイント縮小した。調査地点24カ所のうち下落は14カ所で、前年から7カ所減った。横ばいは8カ所だった。

 下落率の最大はマイナス2.3%の「広渕町南一308番」(1万7000円)、次いで「相野谷旧屋敷145番2」がマイナス2.2%(1万8200円)だった。

 最高価格は「恵み野4丁目7番8」の6万4800円で1.7%のプラス。横ばいだった「南中里3丁目5番4」が5万5800円で続いた。「蛇田新谷地前97番2」は1.3%上昇の4万7500円だった。

 東松島市の平均変動率はプラス0.9%で、前年のマイナス0.1%から上昇に転じた。調査地点9カ所のうち上昇が3カ所、下落が5カ所、調査休止が1カ所だった。平均価格はプラス300円の2万2600円だった。

 上昇率が最も高かったのは「矢本下浦272番3」(4万8800円)の4.9%。石巻地方でも最大で、上昇幅は1.6ポイント拡大した。「矢本蜂谷浦184番4」(3万2200円)も3.5%で2.2ポイント伸びた。下落率の最大は「新東名1丁目6番10」(1万3700円)のマイナス1.4%だった。

 女川町の平均変動率は1.0%低下で、前年と同じだった。平均価格は1万6100円。調査地点5カ所中4カ所が下落、1カ所が横ばいだった。下落率の最大は「針浜針浜141番」(5220円)のマイナス1.5%。最高価格は「女川1丁目11番2」の2万3400円で前年と変わらなかった。

 不動産鑑定士は「石巻市は新蛇田地区など利便性の良好な一部で横ばい傾向となったが、現在はほとんどの地点で下落している。東松島市の矢本地区は石巻市内に比べて割安感があり、安定的に推移している」と分析した。

 商業地は、石巻市の平均変動率はマイナス0.2%で、下落幅が0.5ポイント縮小した。平均価格は4万3300円。12地点のうち下落が7カ所、横ばいが4カ所、上昇が2カ所。下落率が最大だったのは「相野谷飯野川町127番」(1万6000円)のマイナス2.4%。最高価格は1.7%上昇した「恵み野1丁目2番7外」の7万8000円だった。

 東松島市は「矢本栄町41番」の1地点で、2.4%上昇の4万6000円。女川町も「女川2丁目8番2」のみで、前年と変わらず3万400円だった。

 工業地は、石巻市の「須江関ノ入13番10外」がマイナス1.1%の8800円。東松島市の「川下内響132番6外」が0.8%上昇の1万2200円だった。

 住宅地の県全体(411地点)の平均変動率はプラス4.7%で12年連続の上昇。平均価格は8万2000円だった。

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