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先進技術で農水大臣賞 トマト・パプリカ栽培「デ・リーフデ北上」 石巻市長に受賞報告

斎藤市長(左)に受賞報告とともに、生産方法なども伝える鈴木社長

 石巻市でトマトやパプリカを栽培する「デ・リーフデ北上」が、本年度全国優良経営体表彰(農林水産省など主催)の生産技術革新部門で最高賞となる農水大臣賞に選ばれた。東日本大震災で壊滅的な被害を受けた同市北上地区で人工知能(AI)技術などを活用した生産に取り組み、安定出荷や労働環境の改善を実現。ロボットなど先進的技術の活用に努めた独自の運営体制が評価を受けた。

 デ・リーフデ北上は2014年に、被災した地域農業の再生と雇用機会の創出を目的に設立。オランダの施設園芸技術を導入し、情報通信技術(ICT)を使った温度や湿度管理を行ってきた。収穫予測で作業量を把握し、効率化された生産方法を確立した。

 労務管理にもスマートフォンアプリを活用。個々の作業量や時間を可視化し、無駄のないシフト管理を実現させ、子育て世代も働きやすい環境を整えた。

 同社の鈴木嘉悦郎社長が28日、市役所を訪れ、斎藤正美市長に受賞を報告した。斎藤市長は「先駆的に新しい栽培方法に取り組んでくれて非常にありがたい。石巻の農業関係者にとっても希望になる」と述べた。

 鈴木社長は「北上で得たデータを基に、被災した農地の有効活用に役立てていきたい」と話す。

 北上地区の第1工場では年間、2.4ヘクタールでトマト552トン、パプリカ264トンを生産している。21年には同市釜谷に第2工場を建設した。

 今年3月からは美里町練牛に第3工場が稼働。県内最大級となる2ヘクタールのトマト専用栽培施設で、年間生産量700トンを目指す。

 鈴木社長は「パプリカの生産にも力を注ぎ、栽培量を増やしたい。輸入が大半を占めるが、国内での自給率を上げたい」とさらなる発展を語った。

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