トラウトサーモン、今季初入荷 石巻魚市場2年ぶり 生産拡大など期待
石巻魚市場に1日、女川町飯子浜で養殖されたトラウトサーモンが今季初入荷した。同市場への入荷は2年ぶり。養殖ギンザケより成長が早く、短い期間で出荷できるメリットがあり、関係者が今後の販路確保と生産拡大に期待を寄せた。
入荷したのは、ギンザケ生産者でつくるグルメイト(石巻市湊西2丁目)専務の阿部郁也さん(39)が初めて試験的に養殖したもの。午前6時20分ごろ、生け締め処理したトラウトサーモン約3トンを運び込んだ。入札結果は1キロ当たり1000~1300円とまずまずの取引価格だった。
トラウトサーモンは淡水魚のニジマスを改良し、海上のいけすで養殖したもの。成長が早く、ギンザケに比べて1カ月ほど短い期間で出荷できるという。主に刺し身など生食向けとして高値で取引される。
阿部専務は「脂乗りが良く、味も濃い。来シーズンは水揚げの数量を増やしたい」と意欲を見せる。
近年の養殖ギンザケは海水温上昇の影響で、出荷可能な期間が短くなるなどの影響が出ている。例年は8月上旬まで続くが、今期は6月末の終了を見込む。
トラウトサーモンの入荷は4月末までの予定で、計約30トンを見込む。魚市場の佐々木茂樹社長は「初入荷で買い受け人は様子見だったが、安定的に入荷すれば関心も高まるだろう」と語った。
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