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「戦争絶対だめ」思い新た 高齢者団体、平和資料館を訪問 石巻の佐々木さん運営

お年寄りらに展示品について説明する佐々木さん(右)

 石巻市北村の自宅で平和資料館を運営する佐々木慶一郎さん(76)宅を2日、地元の高齢者団体が訪れた。館内には、太平洋戦争末期の学童集団疎開に関する展示があり、当時の児童と同年代に当たるお年寄りらは「懐かしいね」と見入りながら「戦争は絶対にだめだ」との思いを新たにしていた。

 資料館を訪問したのは、地元のデイサービス利用者らでつくる「小崎ゆいの会」(渋谷敏子代表)。毎週火曜日に会員が集まってさまざまなレクリエーション活動に取り組んでいる。新聞やテレビで学童疎開に関する展示を知り、70~90代の15人が資料館を訪ねた。

 佐々木さんは展示品を紹介しながら、当時、首都圏などから県内に児童約1万1000人が身を寄せたことを説明。「食糧事情が悪い中で空腹に耐えかね、トンボなどの虫を口にした子どももいた」と解説した。空襲で親を亡くした多くの子どもが戦後、苦労して育ったことにも触れた。

 当時の教科書や写真、学校の制服などに見入った西村やえ子さん(89)は「戦後の石巻駅前に、靴磨きの子どもたちがたくさんいたのを思い出した」と回想。佐藤りつ子さん(95)は「とにかく戦争だけは絶対にだめだ」と語気を強めた。

 佐々木さんは「疎開児童と同年代のみなさんに懐かしんでもらえて良かった」と述べた上で「終戦当時の記憶がある世代がどんどん少なくなっている。貴重な証言を後世に引き継いでいきたい」と話した。

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