地域おこし協力隊、新年度始動 魅力を創出 女川、東松島
女川・藤原さん、スポーツ経験生かす
女川町で新年度、町の地域おこし協力隊員として藤原珠伶(しゅれん)さん(22)=石巻市出身=が活動を始めた。健康づくりに関わる会社「つなぐ」(女川町大原)に所属し、運動プログラムの作成などに取り組む。同町で、地域おこし協力隊員を民間企業が受け入れるのは初のケースとなる。
藤原さんは石巻市大街道小3年の時に東日本大震災を経験し、父を亡くした。市内の自宅も被災し、母の実家がある秋田県に家族と移住。高校を卒業するまで同県由利本荘市で過ごした。
小学生の時にサッカー、中学生でバドミントン、高校で陸上、大学ではアメリカンフットボールに励み、スポーツ経験が豊富な青年。仙台大4年の時につなぐの原田直信社長と出会い「生まれ育った石巻地方のまちづくりに貢献したい」と、大学卒業後、女川町にやって来た。子どもを対象にスポーツで心身の健康維持や体力向上を図る会社で仕事に従事する。
町では現在、5人の協力隊員が一般社団法人女川未来会議出島プロジェクトに所属し、ことし本土と架橋で結ばれる離島・出島などに住みながら魅力の創出に励んでいる。藤原さんは6人目。
交付式は1日、町役場で行われ、須田善明町長が「これまで培ってきたスポーツの経験は、必ず地域にいい影響を与える。協力隊の任期が終わっても定住してくれるとうれしい」と話した。任期は最長3年。
藤原さんは「子どもも大人も生き生きと運動にチャレンジできる場所をつくりたい。社会人経験がないので、多くの人と関わり、自分も成長できたらいい」と抱負を語った。
東松島・赤沼さん、移住促進を手助け
東松島市は1日、地域おこし協力隊に長野県岡谷市出身の赤沼孝一さん(24)を委嘱した。見習いとして市の移住コーディネーターの活動を補佐する。任期は最長3年。
赤沼さんは中学から東京都で生活。小学5年の時に起きた東日本大震災にショックを受け、宮城県に関心を持った。
中学の研修旅行で訪れた石巻市で震災被害の大きさを知り「宮城の力になりたい」と県内での就職を考え出した。
学生時代に女川町の水産会社のインターンシップに参加。大学卒業後は松島町のホテル松島大観荘のフロント係として接客を学んだ。今後は若者が未来を語り合い「心の底から幸せを感じられる」ゲストハウスをつくるのが目標という。
市役所で渥美巌市長から委嘱状を受け取った赤沼さんは「宮城は人が温かい。自分のような宮城ファンをつくり、移住者を増やしたい」と抱負を述べた。
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