春の風景、原画で満喫 熊倉保夫さんの遺作展示 ギャラリー本格オープン 石巻
広告会社「東北プランニング」(石巻市)を経営する傍ら石巻地方の風景画を数多く残し、2008年に亡くなった熊倉保夫さんの作品を展示するギャラリーが、石巻南中里4丁目に本格オープンした。東日本大震災で失われた古里を懐かしく思い出すことができる原画は多くの人々に愛されている。6日には「春の風景と花の絵」展と題した展示がスタートした。
同社が入るビルの1階に開設された。展示されているのは1970~90年代に描かれた約30点。F60号の代表作で中瀬周辺を描く「赤景」「青景」「黄景」などの油彩は大胆な筆致ながら、地域の表情や空気感を鮮明に表現。街を彩る桜や新緑、季節の花々の柔らかさも描き出す。
熊倉さんの長男で社長の一徳さん(57)が被災者支援として復興住宅に無償配布するカレンダーに使用されたものもあるが、ほとんどの原画が約10年ぶりの公開。一徳さんは「原画特有の息遣いを通して、見る人それぞれの石巻を楽しんでほしい」と話す。
震災前の郷土を描いた熊倉さんの油彩画と水彩画は、石巻かほく毎月1日付に掲載されている。
ギャラリーは昨年12月のプレイベントを経て、3月に開設された。12月まで月替わりの展示を開く。4月中は毎週土日曜の午前10時~午後4時に開館。入場無料。連絡先は0225(95)0352。
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