石巻商高カヌー部OB永沼選手、パリ五輪切符獲得へ全力 アジア大陸予選あすから
今夏のパリ五輪にカナディアンカヌーペア男子500メートルでの出場を目指す石巻商高OBの永沼崚選手(30)=永沼・石巻市=が17日に東京で始まるカヌースプリントアジア大陸予選を前に、闘志を燃やしている。出場の切符は1枚。「3年前から照準はパリ五輪に合わせてきた。最大限の力を出し切り出場権を獲得する」
(相沢春花)
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昨年から同じナショナルチームの橋本将都選手(サコス・東京)とペアを組み、3月14、15日の国内選考会では優勝。勢いに乗る永沼選手はアジア大陸予選の会場となる海の森水上競技場で合宿し、現在最終調整を行っている。
4月18日の予選第2レースでフィリピン、イラン、タイ、韓国と戦う。第1レースには、昨年10月に中国・杭州で行われたアジア競技大会で、0.2秒差で永沼選手・橋本選手ペアを破って優勝した宿敵カザフスタンが出場する。18日に準決勝、19日に決勝が行われる。
永沼選手は「長い時間努力してきた自信はある。胸を張って楽しみながらレースに挑み、支えてくれた人に優勝する姿を見せたい」と意気込んでいる。
アジア競技大会での敗因をパドルをこぐ回数不足と分析。大会後は水の抵抗を受け、重くなるパドルをうまく動かす筋力や技術に磨きをかけた。
今年1月4日から2カ月間はイタリアで、同じ種目でパリ五輪に出場するイタリア代表選手らとともに練習に励んだ。体力や基礎作りを中心に、日本では体感できない世界トップレベルの技術を間近で吸収した。
挑戦が始まったのは東京五輪出場を逃した2021年5月。シングル100メートルからペアに種目を変更し、新たな舞台で活躍を誓った。橋本選手と本格的にペアを組み、練習を積んできた。
アジア大陸予選には、永沼選手を高校時代から支え続ける、石巻商高教諭で、カヌー部顧問の佐藤幸也さん(60)も競技役員として参加する。「崚と思っていることは同じ。楽しみながら力を出し切れば、おのずと結果は着いてくる」とあうんの呼吸で見守る。
佐藤さんは永沼選手のフォームなどを動画で確認。外国選手と違い、レース終盤に伸びる力に期待を寄せる。「持ち味を生かし、昨年のアジア大会で1歩及ばなかったラストを刺し切ってほしい」と力を込める。
現地には石巻商高関係者も駆けつける予定で、佐藤さんは手作りの応援旗を手に声援を送る。
永沼崚(ながぬま・りょう)選手、1994年3月石巻市生まれ。同市二俣小、河北中卒。石巻商高入学後にカヌーを始めた。立命館大、ユアテックで競技を続け、東京五輪後の2021年に退社。実家のガソリンスタンド経営会社「永沼」に所属し、ナショナルチームのメンバーとして石川県小松市を拠点に練習に打ち込む。173センチ、80キロ。
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