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被災の捕鯨砲、雄姿再び ホエールランド旧施設の展示品、修復完了 石巻・鮎川

さびを落とし再塗装するなど修復され、展示が始まった捕鯨砲

 東日本大震災の津波で全壊し、再建された石巻市鮎川浜の観光施設「おしかホエールランド」周辺の屋外に、かつてクジラ漁で使われた「捕鯨砲」が展示されている。多くが被災した旧施設の収蔵品で、修復が完了したため今月、市が展示を再開した。関係者は「捕鯨の歴史を伝える貴重な資料」と話している。

 捕鯨砲は直径がそれぞれ75ミリ、70ミリ、50ミリの計4基で、施設がある「ホエールタウンおしか」エリア内に設置。このうち75ミリ砲は長さ約2.7メートル、高さ約1.2メートルで、ずっしりと重量感のある砲身や、クジラに打ち込むもりを先端に備える構造などを間近で見学できる。

 4基のうち3基は震災時、旧施設の2階デッキに設置していたという。施設は高さ約10メートルの津波で全壊したが、捕鯨砲は重量があったため流失を免れた。

 被災後は市が保管していたが、捕鯨文化の継承に向けた貴重な資料として修復を決めた。依頼を受けた塩釜市の造船会社が元々の塗装やさびを落とし、再塗装するなどした。4基のうち1基は船の科学館(東京)から寄贈を受けた。市によると一連の修復・設置費は約800万円。

 おしかホエールランドの山本龍治学芸員(29)は「砲の変遷をたどりながら、捕鯨の歴史を学ぶことができる。ぜひ見に来てほしい」と語る。捕鯨砲の見学は無料。

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