石巻焼きそば、100年先も 文化庁「フード」認定 石巻地方では2件目
地域で受け継がれている食文化をPRする文化庁の「100年フード」に、石巻市の「石巻焼きそば」が選ばれた。100年の継承を目指す「未来の100年フード部門」での認定。関係者は「非常に誇らしい。次世代に継承していく弾みになる」と喜んでいる。石巻地方では「ほや雑煮」に続き2件目。
認定などによると、1931年ごろ、中国人が市内で営業していた食堂の「焼麺」というメニューが原点。店で修行していた弟子によって地域に広がったという。戦後、現在まで続く2度蒸しの製法が確立された。魚介系のだしを染みこませるのが特徴で、好みに応じてソースをかけて食べる独特の習慣もある。現在は石巻地方の二十数店で提供されている。
市民や提供店などの関係者でつくる「石巻茶色い焼きそばアカデミー」が市の推薦を受けて申請した。アカデミーは地元だけで知られていた食文化を全国にPRしようと2008年に発足した。イベントに出店したり、焼きそばの歴史や文化を伝える教室を学校などで開いたりしている。
ご当地グルメイベント「B-1グランプリ」にも6回出場した。東日本大震災では製麺業者や提供店の多くが被災したが、11年のグランプリにも挑み、6位に入賞した。
知名度が高まり、現在では観光客にも人気の当地グルメとして定着した。3代目会長の木村均さん(64)は「活動が実を結んだ。提供し続けてきた飲食店があってこそなので、一緒に勝ち取った認定だと思う」と語った。
100年フードの認定制度は、地域の食文化をアピールしようと21年度に始まった。初年度は131件、22年度は70件を認定。23年度は石巻焼きそばを含む26都道県の50件が選ばれた。
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