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妊娠から子育て、伴走支援 こども家庭センターを新設 石巻市

石巻市子育て世代包括支援センター「いっしょissyoえきまえ」。市こども家庭センターは関係機関などと協力し、悩みを抱える世帯を支援する
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子育て支援課長 浜田久美(はまだ・くみ)さん、石巻市門脇出身。1990年石巻市役所入庁。稲井支所長補佐や介護福祉課長補佐、会計課長を経て1日から現職。54歳。

 石巻市は本年度、妊産婦や子育て世帯からの相談に応じ、一体的に支援する「こども家庭センター」を新設した。子育て支援課、健康推進課、総合相談センターの3課で構成する。複数課が相談者の情報を共有し、家庭をサポートする体制を築く。必要な家庭には「サポートプラン」を作成し、継続的な支援に活用する。(漢人薫平)

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 センターは妊娠や出産、子育て全般の相談の窓口となる。これまで課をまたぎ確認に時間を要していた相談者の情報や課題を合同ケース会議などを通して共有。より円滑に、産後ケアや育児ヘルパー、ショートステイなどの支援につなげる。

 職員は4人。センターの所長は浜田久美・子育て支援課長が務める。専任の所長補佐と統括支援員、相談員を配置。相談受け付けや関係機関との連絡などの実務は各課の職員が担う。

 「サポートプラン」は、解決すべき問題や支援の種類と内容、見直し時期などを記載する。相談者の意向を聴き取りながら、センターの担当者と共に作成し、完成後も利用状況の観察を続け、課題解決を目指す。

 子育て支援の現場を担う市内の幼保施設や学校、放課後児童クラブをはじめ、NPO団体などとは従来通り連携する。各機関が問題に気付いたり、相談があったりした場合、サポートが必要な当事者や家庭の把握に役立てる。

 センターは、今月施行された改正児童福祉法で市町村ごとの設置が努力義務とされている。

 石巻市は今後、より円滑に支援につなげるため、3課の共通システムの導入や、新たな支援メニューの拡充を検討している。担当職員は「関係機関との連携を深め、より切れ目のない支援を提供していく」と話した。連絡先は0225(24)6848。

こども家庭センター浜田所長に聞く

 子育てなどの悩みを一元的に受け付ける石巻市の「こども家庭センター」。石巻では東日本大震災後に核家族化が進み、各機関の連携強化、気軽に相談できる態勢の構築が求められているとみられる。所長に就いた浜田久美・子育て支援課長に聞いた。

<気軽に相談できる場に>

-意気込みは。

 「これまで3課それぞれで行ってきた業務を一体化する。妊娠や子育ての悩みや困難を抱える人が相談しやすいような体制を整え、必要なサポートをしていきたい」 
 「妊産婦や子どものさまざまな意見、悩みをくみ取る。地域の関係主体と連携しながら、サポートプランを作成し、制度を使い、子育て世帯と全ての子どもに切れ目のない支援を行う」

-石巻市で考えられる妊娠、出産や子育ての課題は何か。

 「東日本大震災後に世帯分離が進んだ影響があると考えられる。これまで相談に来た人の家族構成を見ると市内でも核家族化が進んでいる印象を受ける」 
 「近所付き合いや3世代同居といった環境があれば、ちょっとした悩みでも相談できる。子育ての悩みは当事者にとっては大きい問題の場合もある。身近に相談できる人がいないケースや、地域とのつながりが希薄化している状況があるため、常に気軽に相談できるセンターでありたい」

-センターの発足で、どのような課題解決や変化があるか。

 「これまで大きな課題は見受けられていないが、共有できていなかった情報はあるかもしれない。今後検討する共通システムの導入や合同ケース会議の開催で、見落とされる世帯がないようセンター内での意思疎通を徹底する」

-市域が広い石巻で、関係機関や民間の子育て支援団体とはどのように連携を図るか。

 「市が各主体と開催する『子どもの居場所づくり懇談会』やイベントなどを通して横のつながりを築く。2023年度の懇談会でセンター設置を周知し、連携を呼びかけた。これまでの相談対応などで既につながってもいる。支援が必要な世帯と日ごろから関わる機関とより緊密に情報共有し、協働できる態勢を敷く」

-23年度の市民満足度調査では子育てや学校教育分野で当事者世代からの評価が低かった。センター設置によりどのような改善を目指すか。

 「市の子育て支援メニューはかなり充実させているが、周知に課題があって評価されていない可能性がある。市報やホームページ、子育て応援アプリ『ISHIMO(イシモ)』、LINE(ライン)の市公式アカウントを活用して、周知に努める。特にアプリには市のホームページにはない細かい情報もあるのでぜひ登録してほしい」

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