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女川原発差し止め訴訟・控訴審口頭弁論 「避難」巡り審議継続 裁判長「さらに議論深めたい」

訴訟の経過の感想を語る原団長(左から2人目)ら

 東北電力女川原発2号機(女川町、石巻市)で重大事故が起きた場合の広域避難計画に実効性がないとして、石巻市の住民が東北電に再稼働差し止めを求めた訴訟の控訴審第3回口頭弁論が17日、仙台高裁であった。

 瀬戸口壮夫裁判長は、広域避難計画で原発5~30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)の住民らに求める「段階的避難」の是非に関し「具体的な議論がかみ合っていない」と指摘。原告側が提出した意見書の一部に対する反論を東北電側に求め「さらに議論を深めたい」と述べた。次回期日は7月17日。

 訴訟では、原告側は重大事故発生時、渋滞などで避難退域時検査場所は開設できず、避難に使うバスも配備できないなどと主張。東北電側は広域避難計画が段階的避難を前提にしていることなどを理由に実現可能だと反論する。

 記者会見した原告側弁護団長の小野寺信一弁護士(仙台弁護士会)は「避難場所の開設やバスの配備と段階的避難は無関係だと主張してきて、それで足りると思っていた。結審しなかったのは予想外で、不満が残る」と語った。

 原告団の原伸雄団長も「きょうの結審を望んでいた。残念な判断だ」と話した。

 東日本大震災で被災した2号機は2013年12月、再稼働に向けた審査を原子力規制委員会に申請。20年2月に基本設計を示した「原子炉設置変更」に合格した。

 東北電は今年2月、安全対策工事の完了を6月に延期し、再稼働時期を9月ごろとする方針を発表した。

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