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鳴瀬カキを日本一に 大崎のスクール、販売戦略を提案 男女別に方針設定

受講者は2グループに分かれ、男性、女性それぞれを狙った新商品やサービスを提案した
新たなブランディングを目指す鳴瀬カキ

 「鳴瀬牡蠣(かき)を日本一に」を合言葉に、東松島市特産のカキのブランディングに取り組んできた大崎市の「ローカルイノベーションスクール(LIS)」が、6カ月をかけて練り上げた販売戦略案をまとめた。飲食店や地酒との組み合わせ商品、交流サイト(SNS)映えする定番商品といったアイデアに、依頼した地元関係者から「ぜひやりたい」と高評価が相次いだ。

 LISは大崎市のデザイン会社ブルーファームが運営し、現実の地域課題を教材に受講生が解決に取り組む。今回のテーマは、東松島市に11月オープン予定の道の駅で、鳴瀬カキをどう売り込むか。自治体や企業に勤める20~30代の受講生8人は昨年9月から月1回、養殖現場の視察や漁業者らとの対話を経て、男性、女性それぞれを狙った販売戦略を検討してきた。

 最終プレゼンは3月23日に大崎市であった。依頼主の県漁協鳴瀬支所、東松島市などの関係者5人を前に、8人は緊張した面持ちで発表に臨んだ。

 女性向けのコンセプトは「牡蠣アージュ」。子育てが落ち着いた女性に照準を合わせ、ミルキーな味わい、衛生管理、小ぶりで食べやすいといった点をアピール。飲食店とのメニュー開発、地酒とのセット販売、全国ギフトの展開でリピーターを増やす案を出した。

 男性向けは「鳴瀬のいぶし銀」が売り文句。主な顧客に地元企業の管理職を想定し、A4サイズの「牡蠣せんべい」でSNS効果を狙うとともに、漁業者を前面に出した「漁師カード」、硬派なオリジナルキャラクターで購入意欲を刺激する案を打ち出した。

 発表を聞いた鳴瀬支所の木村幸司さん(39)は「期待値以上でワクワクした。今すぐやりたい」と高く評価。東松島市商工観光課の渡部佳祐さん(35)も「まさに必要な部分。できる限り生かしたい」と前向きに語った。

 受講生も手応えを感じていた。仙台市の会社員斉藤ひよりさん(26)は「鳴瀬カキを日本一にしたいと気持ちを込めた。現場のリアルな声を聞き、貴重な経験だった」と振り返った。

 ブルーファームの早坂正年社長(43)は「地域ブランドは往々にして当たり障りがないが、『日本一』には角の立つ提案が必要。道の駅オープンまで一緒に実現したい」と話した。

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