山から見てみた石巻(4) 北上地区・大盤平 再起の農業、営み脈々と
4月下旬、新北上川河口近くの石巻市十三浜地区から大盤平方面へ。くねくねとした狭い山道を進み、うっそうとした杉林を抜けると、不意に視界が開けた。対岸の長面地区に広がる農地と防潮堤、長面浦が目に入ってきた。
長面地区は東日本大震災の津波で長期間浸水した。ほぼ全域が災害危険区域に指定され、全住民が域外に移り住んだ。がれき除去や除塩などの地道な復旧作業を経て2016年、作付けを再開した。
農地を取り巻く防潮堤は高さ8メートル超。建設当時は「これほどの高さが必要か」と議論を呼んだ。
山道をさらに進む。山頂に近い放牧場から、川沿いのビニールハウス群が望めた。先端技術でトマトやパプリカを生産するデ・リーフデ北上、同大川の施設。計約100人の従業員が働いているといい、規模の大きさが伝わってきた。
耕作の風景が戻り、新たななりわいも生まれた。震災13年目の春。脈々と続く営みが垣間見えた。(都築理)
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