コロナ5類移行後初の大型連休 県外客増、宿泊は苦戦も 石巻地方
新型コロナウイルスの5類移行後、初めての大型連休となった4月27日~5月6日、石巻地方の観光地は多くの行楽客でにぎわった。行動制限がほぼなくなり、県外からの観光客が増えた。一方で、物価高が影を落とし、一部では宿泊を控える傾向もみられた。
東松島市宮戸で嵯峨渓遊覧船を運航する東松島観光物産公社によると、期間中の乗船者数は563人で、前年の約1.3倍だった。コロナ禍前の水準の約1000人には届かなかったが、3~5日には1日100人以上が乗船。首都圏や中京圏から訪れた人もいた。
■松島から誘客へ
日本三景松島からの誘客を目指し、今春から毎週日曜に1往復する松島-宮戸間の定期航路は、4月28日が11人、5月5日は満席の15人が利用した。公社の担当者は「『松島から東松島まで足を延ばしたい』という問い合わせが多かった」と手応えを語り、さらなる浸透に期待する。
各地の道の駅は遠方からの来訪者でにぎわった。石巻市小船越の「上品の郷」は、期間中の利用客が直売所と温泉施設を合わせて約2万7000人。前年より約1000人、2022年より約4000人増えた。車中泊施設としても人気で、3、4の両日は昼夜共に満車だった。担当者は「5類移行で規制がなくなった上、好天に恵まれて利用客が増えたのでは」とみる。
女川町のJR女川駅前商業エリアの人出は前年並みだった。運営するまちづくり会社「女川みらい創造」によると、キャンピングカーが目立った。同社は「国の重点道の駅に登録されて以降、目的地として分かりやすくなった」と歓迎する。
一方、宿泊関係では苦戦した施設もあった。石巻グランドホテル(石巻市千石町)には期間中、約1000人が宿泊。前年より17%減少し、コロナ禍前の19年比では30%減だった。国外からの宿泊客は全体の3%で、米国やカナダ、チリ、フランスなどだった。
宿泊者の減少について、大槻武史支配人は「温泉がある松島や仙台での宿泊需要が高い。物価上昇で日帰りを選択する人も多いのでは」と分析。「今後も市内のイベントなどを機に、宿泊につながるPRをしたい」と巻き返しを図る。
■渋滞緩和で対策
石ノ森萬画館やいしのまき元気いちばなどに多くの観光客が訪れた石巻市中心街。昨年の大型連休で一帯が渋滞したことを教訓に、東日本大震災の伝承施設が集まる南浜地区と結ぶ無料シャトルバスを3~5日に初めて運行し、3日間で約300人が利用した。
運行は同市のまちづくり会社「街づくりまんぼう」など4者が共同で実施した。同社の担当者は「バスがあったので南浜に来たという人もいた。市内回遊の動機付けになると感じた」と強調。「今回は実験的な実施。行政や各施設と協議し、多くの客を呼び込む方法を検討したい」と語った。
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宮城県警 みやぎセキュリティメールより
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