石巻でウクライナ報告会 東京の土子さん、現地で食糧提供 具体的な支援訴え
ロシアの侵攻が続くウクライナ東部ハリコフで住民の支援活動に当たる土子文則さん(75)=東京都出身=の報告会が8日、石巻市蛇田公民館であった。現地の過酷な状況を伝え「戦争は全てをめちゃくちゃにする。まだまだ支援が必要だ」と訴えた。
土子さんは、自身の支援活動に寄付金を贈った同市釜小と大谷地小に感謝を伝えようと同市を訪問。ウクライナでボランティア活動をした同市蛇田の小金沢良一さん(68)とも交流があり、報告会を開いた。ウクライナから市内に避難しているイリナ・ホンチャロヴァさん(64)やその親族ら約15人が参加した。
ウクライナの隣国、ポーランド・ワルシャワに移住していた土子さんはロシアの侵攻開始後、単身でハリコフ入りした。住民150人が避難していた地下鉄の駅で、1日1食の生活が3カ月も続いていることを知り、食糧支援を始めた。
交流サイト(SNS)を通じて支援金を募集。日本などから寄せられた寄付を元に2023年4月、無料で食事を提供するカフェを開設した。現在はウクライナ人17人を雇用し、1日1300食を提供する。同年8月には、ウクライナの発展に貢献した人をたたえる「伝説賞」をゼレンスキー大統領から贈られた。
現地では生と死が隣り合わせの生活が続く。土子さんは「あした命を落とすかもしれない人たちに、毎日きちんと食事をしてもらうことが使命だと思っている」と話した。
土子さんは今後、子どもたちの教育支援で、日本のコミックなどを集めた「子ども図書館」や移動図書館、映画の上映会なども計画する。取材に対し「日本からの励ましや現地の子どもたちの笑顔がエネルギー源。日本の皆さんには通りすがりの人にならず、具体的な支援を実践してほしい」と語った。
土子さんは支援を呼びかけている。受け入れ口座は三井住友銀行日暮里支店で口座番号は「普通 8634613」名義は「ツチコ フミノリ」。
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