特産コンブ最盛期 今季海水温高く、発芽に遅れ 石巻・北上町
石巻市北上町十三浜などで、コンブ漁が最盛期を迎えている。十三浜のコンブは特産品として知られるワカメと並び全国から引き合いが多い水産物で、浜では出荷作業に追われる漁師らの活気に包まれている。半面、温暖化の影響で良質なコンブの生産量が減少しており、漁期の短縮を考えている漁家もあるなど、心配の尽きないシーズンとなっている。
十三浜の大指漁港では21日、ワカメやコンブを養殖するマルナカ遠藤水産代表の遠藤俊彦さん(49)が早朝から作業。父俊郎さん(75)と沖合の養殖場に移動し、400~500キロのコンブを刈り取った。収穫後の午前7時ごろからは漁港近くの加工場に移動し、90度に熱した海水でボイルした後、冷水に入れて塩蔵加工していった。
今季は三陸沖の海水温が例年よりも5度近く高く、種苗の発芽が遅れた上「ヒドロゾア」という虫のような生物が付着する事例が発生している。イソギンチャクなどと同じ刺胞(しほう)動物で、付着したコンブを食べても問題ないものの、見た目が悪くなるため商品価値が下がる。付着部分を切り取る手間もかかるため作業効率が落ちるなどマイナス要素が多い。
俊彦さんが養殖するコンブは塩蔵し細切りにした「そうめん昆布」などで販売。サラダや煮物にお薦めで全国から注文が入るが、例年6トン前後の収穫量が今シーズンは2、3トンに減る見込みという。
本来は今月末まで収穫を行うが生産量が減り、今週末(25、26日)で終えることも考えているという。俊彦さんは「温暖化の影響で水産物の生産はどれも大変。苦しさはあるが商品を求めている人のために精いっぱい応えたい」と話した。
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