渡波海水浴場、今夏は休止 他の4ヵ所は開設予定 石巻市
石巻市は22日、市渡波海水浴場を本年度は開設しないと発表した。昨夏に魚の死骸が大量に漂着し、遊泳環境の悪化が懸念されているのに加え、東日本大震災と新型コロナウイルス感染拡大で利用者数が落ち込んだことが理由。市内の他の4カ所(白浜、網地白浜、十八成浜、荒浜)は開設する予定。
死骸の漂着は昨年度開設した7月22日~8月20日、ほぼ毎日確認された。フグを中心に計約1400匹で、最も多かった7月27日は約300匹が打ち上げられた。監視員らが片付け、開設の中止はなかったが、死骸を見て遊泳せず帰った利用者もいたという。
市が県東部地方振興事務所に確認したところ、死骸の漂着は海水温の上昇による酸欠などが主な原因と考えられ、本年度も同様の状況が続く可能性があるという。
渡波海水浴場は震災の津波で被災し、遊泳場所を移して2018年度に再開した。新型コロナで20、21年度は再び休止し、22年度に再オープンしたが、入り込み数は22年度が3115人、23年度は3583人で、震災前の10年度の7783人から半減した。
市によると、同海水浴場は既設の更衣室やシャワーがなく、運営費が比較的高い。死骸の回収など安全対策費用が加わればさらに増加が見込まれる。
来年度以降の開設は未定。市観光政策課の担当者は「環境悪化はイメージダウンにもつながる。市内には環境が良く、設備が整った海水浴場が他にあるので、そちらを利用してほしい」と説明した。
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