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子どもの居場所づくり、地域一体で 石巻のNPOが新構想 渡波中学区に公園や学び場

子どもたちの新たな居場所づくりの構想を語る田中代表

 石巻市の認定NPO法人「こども∞(むげん)感ぱにー」が、地域を取り巻く人々が一体となって子どもを育てる新たな居場所づくりのプロジェクトを立ち上げた。渡波・鹿妻地区に用意する敷地内に公園や民間の学び場、未就学児向けの認可外保育園などを併設する構想を掲げる。田中雅子代表(55)は「地域のみんなでつくり上げて運営し、大人も子どもも互いに支え合える場所にしたい」と話す。

 構想は渡波中学区で約5000平方メートルの敷地に、公園や小中高生向けの学び場、保育園を整備する。さまざまな理由で学校を休んだり、行きづらいと感じたりする子どもらが主体的に遊び、学びを広げる場にする。未就学児の親子や障害を持つ人、大人の来場も歓迎。職員をはじめ、子どもに関わる専門職、民生委員といった住民らが見守る地域コミュニティーを築く。

 法人は渡波・鹿妻両地区で東日本大震災以降、専門職員が常駐する自由に遊べる公園「プレーパーク」の運営に取り組む。地域住民ら多様な世代と交流しながら、ものづくりや調理体験、アウトドアの活動などを通して主体性を伸ばす学びを展開してきた。震災から13年がたち、住宅整備が進んだ周辺環境の変化を受け、より伸び伸びと過ごせる居場所を整備しようとパークを移転、新設する。

 田中代表は「不登校と呼ばれる児童生徒の数に比べ、子どもが安心して過ごせる居場所が石巻には足りない。発達面で課題を抱える子を継続して支援する学校以外の第三者も必要だ」と指摘する。

 法人は2016年、鹿妻地区にフリースクールを開設。小中高生らが社会で自立するサポートをしている。構想の学び場は、法人を含む子ども支援団体や教員ら有志でつくるネットワークが運営する。併設する保育園とワンストップで学習支援や見守りに取り組むという。

 今後、居場所を設置する土地の選定を進める。敷地内施設などの準備費用を集めるクラウドファンディングも検討し、プロジェクトに取り組むメンバーも募る方針。田中代表は「学校以外の選択肢としても必要な場所になる。ゼロからつくり上げる仲間になってもらいたい」と語った。

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