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放課後は新たな運動楽しもう 女川小「アクティブクラブ」、始動 体力増進図る

ドッチビーを楽しみながら体を動かす1年生たち
子どもの体力向上に努めるつなぐの原田さん(中)

 女川町女川小(児童210人)の1~3年生を対象に放課後の運動機会を創出する「アクティブクラブ」が5月、新たに始まった。子どもたちはさまざまなスポーツを楽しみながら、体力作りや運動能力向上に努めている。

 クラブは昨年度まで、町教育委が展開する「おながわ放課後楽校」の特別講座の一つとして実施。小学生を対象に月1、2回ほど、外部に指導を依頼していた。

 本年度からは、依頼を受けたことがある同町大原の健康づくりに関わる会社「つなぐ」が、さらなる運動習慣の定着を目指し、町教育委に事業を提案。放課後楽校から独立した形で開設し、指導や管理を担う。

 クラブは登録制で無料。現在は1~3年生の58人が所属。活動はグラウンドや体育館など校内を利用し、終了後は学校から自宅に帰ったり、児童クラブへ行ったりする。送迎などの必要がないため、保護者の負担を増やさず、子どもたちに新たな運動の場を提供できる。

 活動は毎週月、木曜。1年生クラスと2、3年生クラスに分け、それぞれ45分間ずつ基礎的な運動やサッカーなどさまざまなスポーツを体験する。2、3年生は1年生の活動中に宿題にも取り組み、時間を有効活用する。

 20日は、両クラスともに準備運動やフライングディスク投げに挑戦。最後はドッジボールの球をフライングディスクに変えて遊ぶ「ドッジビー」を楽しんだ。

 参加した2年の阿部稟音さん(7)は「ドッチビーが楽しかった。みんなと運動できるのが好き」と笑顔で話した。

「つなぐ」の原田さん、運動プログラム全国展開に励む

 女川町を中心にスポーツプログラムなどを提供し、子どもたちの体力向上に尽力してきた会社「つなぐ」(女川町大原)は、これまで保育所などで取り組んできた事例を全国で共有・展開しようと活動している。

 同社は2021年、同町の健康づくりに関するプロジェクトに携わってきた原田直信さん(33)=大阪府箕面市出身、女川町大原在住=が設立。月謝制の教室を開く傍ら、どんな家庭環境の子にもスポーツを体験してもらおうと、同年から町内二つの保育所でプログラムを実施している。

 その結果、同町の幼児の体力が全国平均に追い付き、運動習慣が定着してきたことを確認。今年5月からは、保育所の延長線として、女川小でアクティブクラブを始めた。

 「全国的に課題となっている子どもの体力低下や肥満、高血糖などの健康状態の改善にも運動機会の創出は必要不可欠」と原田さんは語る。

 その第一歩として長崎市に23年、つなぐの運営方法などを基にしたスポーツクラブ「Linkスポーツ長崎」が誕生。国見高(長崎県雲仙市)出身の原田さんがアドバイザーとなり、同高のOBらが立ち上げた。女川小のアクティブクラブを参考に6月、放課後の運動体験会を開く。

 スポーツ庁の委託業務として、順天堂大が展開する「幼児期からの運動習慣形成プロジェクト」の事業推進委員でもある原田さんは「会社の設立当初は参加者が少なかったが、今では運動が苦手な子でもスポーツを楽しみ、体力増進など変化が見られている。女川から全国に事例を広げ、子どもの体力低下を食い止めたい」と意気込む。

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