古里・女川舞台の音楽劇 中村雅俊さん、あすから芸能生活50周年記念公演 東京
芸能生活50周年を迎えた俳優で歌手の中村雅俊さん(73)=女川町出身=が2~18日、東京・明治座で記念公演を開く。音楽劇「どこへ時が流れても~俺たちのジュークボックス~」とコンサートの2部構成。音楽劇は東日本大震災で被災した古里をイメージした舞台になる。中村さんは「スタッフ、クリエイターたちが俺の故郷の女川を思わせるものをつくってくれた」と意欲を見せる。
第1部の音楽劇は宮城のとある田舎町の話。中村さんが演じる星川誠の両親が50年前、海岸近くに開いた「スターリバー・カフェ」を舞台に展開する。店は震災の津波で流されるがジュークボックスだけが残る。誠が店を再建すると、動かないはずのジュークボックスから音楽が鳴り出す。登場人物は誠のほか、震災で亡くなった妻、店の看板娘、客ら。
中村さんは「古き良き昭和のメロディーに乗せながら軽快なタッチで描く。踊って歌って笑って泣けるハートフルコメディー。根底にあるのは震災、そこから復興した街や人々のたくましい闘いを表現している。最終的に役と自分が一致するようなものになるのかな」と話す。
中村さん自身、震災を機に女川を見つめ直すようになった。
「故郷は捨てるもんだと思っていた主人公・誠と、俺も似たような心境で高校卒業後、東京に出た。でも俺の地元は女川なんだという意識が強くなった。『中村雅俊』を形成したものは大部分が女川なんだと思った」
第2部のコンサートについては「皆さんがよく知っている『ふれあい』や『恋人も濡(ぬ)れる街角』などヒット曲を届ける予定。一緒に歌っていただきたい」と張り切る。
本格デビューが1974年、日本テレビ系のドラマ「われら青春!」での初主演だった。以後、俳優・歌手として半世紀にわたり第一線で活躍してきた。
「振り返ると、主演でデビューし、歌を出したらヒットしてと、全てが奇跡の連続だった」と強調。60周年を目標に再び走り出す。
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