復興の知恵、ソマリアに 首長らが東松島市視察
内戦や自然災害からの復興に役立てようと、ソマリアの連邦政府担当者や地方自治体の首長ら8人が東松島市を訪れ、東日本大震災からの復興事業を視察した。国際協力機構(JICA)の国別研修で、被災者の集団移転計画や市民協働のまちづくりに理解を深めた。
集団移転団地の野蒜ケ丘では、高台への集団移転について市建築住宅課の森祐樹課長が説明した。参加者からは移転用地の確保方法や、自宅跡地を市が買い取り借地に家を建て直す制度などに質問が相次いだ。
アフリカ東部にあるソマリアは、20年以上続いた内戦で住まいを失った人々に再定住エリアを設ける必要がある上、近年は河川の氾濫が頻発し、高台移転の必要性が高まっているという。
視察団団長で地方公務員国家研修機関局長のアブディファタ・アリ・ハッサン氏は「川の近くに暮らす人々に高台に移転してもらい、河川堤防を建設する必要がある。多重防御や植林といった東松島市の防災・減災の取り組みは大変勉強になった」と語った。
一行は5月20~22日に同市に滞在。あおい地区のまちづくりについて住民の話を聞いたり、大曲小で児童と交流したりした。広島県も訪れ、戦後復興についても視察した。
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