疎開や勤労動員の記憶伝える 石巻の佐々木さん、自宅で企画展「戦争と教育」
石巻市北村の自宅で平和資料館を運営する佐々木慶一郎さん(76)が、特別企画展「戦争と教育」を開いている。太平洋戦争末期の学童疎開に関する写真や受け入れ側関係者の体験談、石巻地方の勤労動員を伝える新聞記事などの資料を通して、戦争が教育に与えた影響を伝えている。
学童疎開は空襲の激化を受けて1944年に始まり、県内には首都圏などから約1万1000人が身を寄せた。企画展は学童疎開80周年に合わせて開き、所蔵する資料から約400点を選んで並べた。
佐々木さんは企画展に際し、学童疎開を受け入れた大崎市鳴子温泉や白石市の温泉旅館などから当時の証言を集め、今回、児童らの写真と一緒に展示した。証言によると、食糧事情の窮迫から、空腹に耐えかね虫や絵の具を口にする児童も多くいたという。
古物商から入手したという44年11月8日付の毎日新聞の県内版紙面には、石巻中学校(現石巻高校)の生徒が造船所に動員されたことを「制服に滅敵の一念」と伝える記事がある。米機飛来を通報する木造監視船の建造を担ったという。
佐々木さんは「子どもや学生まで駆り出して戦った戦争とは何だったのか、資料を通して考えてほしい」と話す。企画展は8月上旬まで。連絡先は0225(73)4057。
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